PS4「バウンド 王国の欠片」面白かったです。
最近キーボードの話ばかりなのでたまには違うジャンルのことを書きたいと思います。先月PS Plusのフリープレイで入手したPS4のゲーム「バウンド 王国の欠片」をクリアしました。
プレイステーションでは有料のPS Plusに入らないとオンラインで遊ぶことができませんが、「フリープレイ」として毎月数本のゲームが無償で手に入っちゃいます。もちろん好みに合うゲームが毎月手に入るというわけには行きませんが、それでも四半期に一本くらいは良さげなのがあるので、ゲーム好きならけっこう元は取れてしまいます。
いよいよBefore the Stormが海外で配信開始になる「Life is Strange」。近年ブームとなっているウォーキングシミュレーターとして有名な「Everybody’s gone to the Rapture -幸福な消失」。同じくウォーキングシミュレーターの「フィンチ家の奇妙な屋敷で起きたこと」につながるGiant Sparrowの代表作「The Unfinished Swan」。
今年だけでもこれだけのゲームがフリープレイに追加されました。お腹いっぱいですね。もちろん、発売より日が経ってから追加されるので、買ったのにーとチョット悔しい思いをすることもあります。僕の場合はLife is Strangeとか……
【PS Plus】過去のPS4フリープレイタイトル一覧とダウンロードリンク | PS Plusで楽しもう!
http://ps-plus.info/past-ps-plus-free-play-list-ps4/
前置きが長くなってしまいましたが、9月のフリープレイに表題のタイトル「バウンド 王国の欠片」がありました。
なんだかアーティステックなタイトルロゴだったので、「風ノ旅ビト」とか「Unfinished Swan」みたいなやつかなと思ってプレイしてみると、当たらずとも遠からず。グラフィックは絵画風のテイストで、妊婦さんと思しき女性が車を降り、砂浜に立っているところからゲームはスタート。身重っぽいモーションとか、歩いた場所の砂が凹む感じとかすごいなぁと感心しながら歩いていると、場面は一点、いかにもゲームといったポリゴンしい世界へ。
姫!
なんでしょう、母上?
怪物が私の王国を破壊しています
すぐに止めてくるのです
いよいよ本当にゲーム開始っぽくなり、プレイヤーはここから姫を操作するんですが、まーその動きが優雅。優美。バレエダンサーの動きをモーションキャプチャーしたんだろうなって動きをします。顔はヘルメットみたいのつけてるし、肌は緑色でちょっと怖いんですけど、そのギャップがイイ。
ゲーム自体はアクション多めのウォーキングシミュレーターでしょうか。ほぼ一本道を進んでいくだけです。ところどころブロックを押したり、タイミングよくジャンプしたり、攻撃を避けたりといったゲーム的要素がありますが、飽きさせない程度のもので、これらのアクションはゲームの主題ではありません。
ゲーム冒頭の妊婦さんと姫の関係から、妊婦さんの内面にある想いを辿っていくのがメインです。他者は殆ど出てこないので、フィンチ家のような謎はありませんが、「はー、こんな事があったんねー、そらあ大変だったねぇ」とゲームをやった側各々が自由に感傷に浸るタイプのゲームですね。
この手のゲームは「最初はなんだかわからなくする」「ヒントを小出しにして注意を引く」のバランスが難しそう。あまりにヒントが出てこないと本題に入る前に興味を失ってしまうし、すぐに真相がわかってしまうと飽きそうだし。
その点「バウンド 王国の欠片」では、とにかく最初のうちは姫の動き見てるだけで楽しいので何が何だかわからなくてもとにかく動かしたくなります。走る、ジャンプする、はしごを登る、ブロックを押すとゲームの教科書的アクションも、バレエダンサーにかかればこんなに優雅に!!というのでお腹いっぱい楽しめます。
特に『ブロックを押す』なんて古来ゼルダから続く定番アクションでありとあらゆるゲームで見た行動ですが、片足ずつ、きれいに曲げながら、こんなにも華麗にブロックを押す主人公は見たことないです。
主人公の動きや常に動きのあるアブストラクトなステージを堪能しているうちに、母上が言っていた『怪物』が出てきたり、妊婦の場面に戻ったり、家族の一コマを再現した空間が出てきたり。すぐにプレイヤーは「ははーん、妊婦と姫の関係はこういうことなんだな…… だからバレエダンサーなんだ」とすっかりノセられて、まんまと続きが気になってやめられない状態に。良く出来てるなぁと思いました。
クリアするまで2時間~3時間位だったでしょうか。サクッと終わる点もとても良かったです。ゲームの世界を十分に堪能し、余韻に浸る余裕もありました。
あとは音楽も雰囲気あってよかったです。早速サントラを買いました。トラック11のステージの最後に主人公が辛い思い出を克服するようなシーンで流れる「Escape」という曲がシーンとあいまってすごく良いです。エモい!
あとで調べてわかりましたが、その昔PS3でメガデモっぽいゲームがあったんです。「Linger in Shadows」っていうんですが、あれと同じスタジオの開発なんだそうです。いやぁ、通りで。バウンドは主人公を操作するゲームではあるものの、ステージのグラフィックやキャラクターの雰囲気など、すごくメガデモっぽかったです。「Linger in Shadows」はボタン押したとかで分岐はあるものの、ほぼ映像で、やはり芸術作品といった趣でした。
Plastic DEMO group
http://www.plastic-demo.org/
最近のPS4ゲームらしく、バウンドにもフォトモードが付いてたので、写真をいくつか。
姫は両手にリボンをまとっていて、移動する時にひらひら可愛いし、ダンスするとさらに綺麗に舞って攻撃をガードできます。
姫の華麗なる三点着地。映画「デッドプール」でも”Super Hero Landing”って茶化してましたね。
各ステージはこんな感じでフランク・ロイドみたいなプリミティブな雰囲気です。3次元的に作ってあって、近道を見つけると得られるトロフィーとかありました……が、僕は近道が合流する部分を見つけてしまい、近道を通ってスタート地点の方に戻ってしまいました。それでもトロフィーはもらえました!
王国はストーリー的に「沈みゆく」感じなので、黄昏っぽいライティングが多いです。ゴッドレイも綺麗。
ステージクリアするとリボンの道をするすると走っていきます。トラウマ的なものを一つ克服する、向き合うといった意味合いですが、ここで流れた前述の「Escape」という曲がめっちゃいいです。
近年のゲームではコントローラーを放置すると手持ち無沙汰になった主人公がさまざまなアクションを見せてくれるのが当たり前になっていますが、このゲームではバレエっぽい柔軟とか披露してくれます。このポーズはビールマンと言うらしい……
ゲーム開始直後の「ここでジャンプ」的なチュートリアルを影で表現してるんです。まーおしゃれだこと。