【感想】NETFLIX映画「すべての終わり」最後の蛇足エピソードが解せない

NETFLIXででかでかとオススメされたので、おぉ、SFかな、良き良き~と見てみました。結果、ちょっと尻窄みというか、なんか後半投げやりな感じがしました。

概要

2018年のNETFLIX映画。原題:How It Ends、邦題:すべての終わり。ジャンルとしてはSF映画、その名の通り突如として終わりつつある世界を、ミニマムな視点で描いています。突然世界が終わるという点だけで言えばかの名作「ミスト」と同じですね。流石にあそこまで完成された映画ではありませんが。

あらすじ

原因不明の大異変が発生。米国全土が戦場と化す中、行方不明になった妊娠中の婚約者を捜すため、若き弁護士が危険を承知で、未来の義父とともに西海岸へ向かう。

すべての終わり | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

主人公は妊娠と結婚を報告するために恋人の両親を(なぜか単身で)訪れます。気難しいお父さんで案の定もめてしまい、報告できないまま帰路につくのですが、そこで恋人との通話中に突然の電波障害で繋がらなくなってしまいます。
ニュースでは国内だけでなく世界の異変を伝えており、都市部上空を戦闘機が飛行する非常事態。空港は閉鎖され、仕方なくお父さんの元に戻ります。主人公にとっては恋人、お義父さんは娘を心配し、シカゴからシアトルまで一緒に車で向かうことに。あちこちに軍も出動し、暴徒と化した国民もいるなか、無事娘のもとにたどり着けるのでしょうか…… ってなお話です。

モキュメンタリースタイルの映画が流行りだしてから一気に増えた気がする、世界レベルの異常事態をミクロな視点で描くSFですね。クローバーフィールド・レーンとか。

キャスト

主演はTheo Jamesテオ・ジェームズForest Whitakerフォレスト・ウィテカー

フォレスト・ウィテカーはいろんな映画に出てくる、物知りそうな古株風のおじさん。近年だと「ブラックパンサー」では先代国王の秘密を知るズリ、「スターウォーズ ローグ・ワン」では主人公の育ての親であるソウ・ゲレラ、「メッセージ(原題: ARRIVAL)」では軍人をやってました。「大統領の執事の涙(原題: The Butler)」のような主演作もありますが、出演作が多い分、出ずっぱりの作品は少ない印象です。片目に特徴ががあって、若い頃の事故とかかなーと思ってたんですが、調べたら遺伝性の眼瞼下垂がんけんかすいだそうです。個人的には「フェイクシティ ある男のルール(原題: Street Kings)」の役がすごく良くて、悪役も似合う俳優だなーと思っております。ちなみに、吹き替えは碇ゲンドウでお馴染み立木文彦たちきふみひこさん。合ってました。

一方のテオ・ジェームズはめっちゃ見たことあるけど誰だっけ状態だったのですが、ダイバージェントシリーズの人でした。出演作はまだそれほど多くなくて、それ以外の印象がないです。すみません……

感想

というわけで、ネタバレです!
見てない人はダメー!!

世界に何が起きているかをボカしつつ人々の混乱などを描く映画って、当たり外れ多いんすよねー。登場人物を少なくしつつ、派手な視覚効果も抑えることで予算を抑える工夫という面もあるじゃないですか。そのためかB級っぽい作りで話もイマイチな作品も多くて。逆に派手さはないけど話でぐいぐい引き込むアタリ作品もあります。
この「すべての終わり」はその点で言えば後半までは悪くない感じで進んでいました。世界崩壊の様子はあくまで間接的な表現に抑え、仲が悪いお義父さんと旅するうちに親睦を深めるロードムービーみたいな感じで。

ところがお義父さんが死んで、恋人のもとに辿り着いた辺りから雲行きが怪しくなります。流れ的には恋人と再会でめでたし、お義父さんも死んじゃったけど最後はわかりあえた、みたいな話なのに、恋人と一緒に急に新キャラ出てくるんすよ。
恋人の近所の人だか、友達だかなんだかよくわからない男。異常事態の中、恋人と二人きりの世界を楽しんでみたいで、主人公にやたらつっかかってきて揉めるわけです。最終的には決着をつける(襲いかかってきたので反撃して殺す)わけですが、このエピソードいるぅ? って思いました。本筋に全然関係ないし、取ってつけた感がすごい。

最後は近くの山が噴火したのかわかりませんが、巨大な土石流どせきりゅうが襲ってきます。恋人と車を飛ばし、からがら逃れたところで唐突に映画は終わります。結局この天変地異が何だったのかはわからずじまい。それでも最後の一幕ひとまくがなければ、天変地異を背景にあくまでお義父さんとの関係をメインに据えた話としてギリ理解できる範囲だったのですが、最後に急にアポカリプス映画にありがちな安っぽい疑心暗鬼を持ってきたもんだから、はて、この映画の主題はなんだったんだ? とフワッと終わってしまいました。

後半になると徐々に見えてくる崩壊した都市とか、灰に埋もれた道路とか、ラストの土石流とか、なかなか見応えのあるビジュアルで良かったのに残念です。お義父さん死亡 → 恋人の元へ → 一気に終幕 という流れの方がスッキリするのではと感じずにはいられません。

あと、途中で仲間になる女の子、物語的にはどういう意味だったのかがいまひとつ掴めず。娘のためなら他人を捨て置くことも辞さない強硬派のお義父さんに対して、一番の良心を持つキャラでなんですけど、「人を殺してしまった!」「付いてこなければよかった!」で、そのままフェードアウト。主人公とお義父さんが彼女から受けた影響って何もなかった気がするんですよね。彼女の登場は、他のキャラクターの考え方や心境に一切の影響を及ぼさないわけです。主要な登場人物がたった3人しかいないこの手のロードムービーでそんなことってある……?

というわけでこの「すべての終わり」、天変地異の原因がわからないまま終わるだけでも相当人を選ぶうえに、テーマというか目指すところがぼやけた感じがする映画なので、なかなか人にはオススメできない感じです。
墜落した大型旅客機、脱線した戦車の輸送列車など、節々に見せるビジュアルで世界がとんでもない事になっているのを間接的に見せる手法は好きだし、その点はすごく見せ方がうまいと思うんですけどねぇ。

ちなみに、劇中の世界がなぜ崩壊しつつあるかは全くわからないまま終わりますが、個人的には天災だと想像してます。軍がよく出てくるので、異星人の攻撃っぽい雰囲気があるけど、断髪的に起こる地震や灰に埋もれた街や土石流。きっとイエローストーンが噴火したんだよー。あ、でもそうするとヨーロッパで熱波ってのが変か…… うーん。

4件のコメント

  1. 最近見ました。尻切れトンボの極致でしたね!
    途中の意味不明のエピソードを削ってでも、エンディングをもっと丁寧に
    作って欲しかったです。

  2. 土石流でなく火砕流ですね。
    原題は「How it ends」みたいなので、まあ、「唐突に終わりました」が映画そのものもストーリーも答えなのかもですねえ

  3. 月に異常は無く地磁気が乱れオーロラが見えてますし
    太陽の異常による天変地異か太陽系自体がフォトンベルトにでも突っ込んだのでしょう
    それでも有線網は生きてるはずですが‥‥
    敵役で登場したホンダ車なら無給油で走れるはずなのに
    何故ガソリンを強奪して自滅する必要があったのかそっちの方が謎です

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