自作キーボード Microooon 組み立てたよ
コミックマーケット100でお隣だったサークル「MYシンフォニー」さんが自作キーボードキットを頒布してまして、超小型な上にトラックボール付きで、これはサブ機となったWindowsマシンの操作用にちょうどよいかなと購入しました。サクッと組み立て完了したので写真などをば。
パッケージ内容
必要なものは全て含まれている完全パッケージです。ProMicroも入ってるし、キースイッチも全部あります。予備スイッチもいくつか入っていて安心です。
珍しいタクトスイッチ
キースイッチはこの手のサイズのキーボードで使われがちな普通のタクトスイッチではなく、ゲームパッドのボタンのような手応えのある珍しいスイッチ。押し心地もよく、購入動機の一つがコレです。
調べたところ、商品名にシリコンとあるのでメンブレンスイッチみたいな仕組みかな? かなり重め、やはりパッド持ちで親指で押すことを想定したスイッチでしょう。作者さんもこのキーボードはゲームのコントローラーのような持ち方を想定していると仰ってました。
ちなみに軸の秤でフォースカーブを計らせていただいたのですが、軽く100gを超えるスイッチのため、表示が最大100g固定となっている軸の秤のUIでは計測したフォースカーブを表示できず。とても悔しかったので、こういった特殊なボタンもしっかり計れる(表示できる)ようにしたい所存であります。
Nexus Oneを思い出すトラックボール
トラックボールも完備していまして、これが昔使っていたNexus Oneのものだったのが最大の購入動機。懐《なつ》か死《し》ってやつです。ボールがほんのり光るのもそのままでした。
こちらも調べてみたところ、Blackberryのトラックボールだったようで、Blackberry TrackballerとしてSparkFunなどでも販売されていた模様。SparkFunではディスコンになっていますが、ICSH044A
というモジュール名でAliexpressなどではまだ沢山売っています。クリックもできるし、フルカラーで光って通知機能も果たす面白いデバイス。軸の秤にもちょっと使いたくなりました。流石にポインターデバイスなんてあっても持て余しちゃうけど。
ちなみに、Microooonでは基板表にも裏にも取り付けられるようになっていて、高さの好みに合わせて選べます。
組み立て
組み立てはマニュアル通りやって特に躓《つまづ》く点はありませんでした。表面実装のスイッチもはんだ付け難度は低め。
タクトスイッチのはんだ付け
表面実装部品になっているスイッチのはんだ付け、パッドが広く取られているので特に難しくはなかったですが、スルーホールと違って位置を固定するものが何もないのでまっすぐ取り付けるのが少し手間でした。自分の場合、最初に両方のパッドにはんだを盛ってしまうとボコッとなって位置合わせしにくかったので、片方のパッドにだけはんだを盛って位置合わせしつつ取り付けた後……
反対側を普通にはんだ付けするのが楽かなーと思いました。細いコテ先があるとなお楽ちんです。
途中で面倒くさくなって試しにリフローもやってみました。残念ながら小さいSMDの部品と違い、表面張力で勝手に正しい位置に移動する現象が発生せず、位置合わせは手はんだよりむしろ難しくなってしまいました。全部のスイッチをちゃんとまっすぐ調整しつつ取り付けたい場合、横着せず手はんだした方が良さそうです。
とか言いつつ、やっぱりリフローの方が一度に出来て楽ちん〜とか言って残りのスイッチは全部リフローで済ませちゃいました。ピンセットでスイッチをまっすぐにするのが難しいです。
というわけで全スイッチの取り付け完了。よく見ると曲がっちゃったりしてるんですが、遠目に見る分にはまあいっかなって。
トラックボールの取り付け(アクシデント発生)
さて今度はトラックボールの取り付け…… とここでアクシデント発生!
トラックボールモジュールにピンヘッダをはんだ付けしようとしていたところ、なんとモジュールからボール部分が外れてしまいました。
しかし基板の表面とボール部分を良く見比べてみたところ、どうやら半田などが外れてしまったというわけではなさそう。両者に電気的な接点は無く、基板に接着剤で固定されていただけのようです。SparkFunの商品ページのコメントにも「2箇所でわずかに接着されているだけで、基板から外れやすい」というのがあったので、そういうものなんでしょう。
ちなみに基板の実装を見ると、トラックボールのクリックは薄い板タイプのタクトスイッチで再現されている事がわかります。その周囲には赤、緑、青、白のLEDが配置してあり、これらがボールを照らす事で光っているように見えるというわけですね。
そしてさらに外周には小さな黒いICが4つあり、これがホールエフェクトセンサーで、ボールの周囲に取り付けられたシャフトの回転を上下左右それぞれ読み取っている模様。はーよく出来てますね〜。って事は同様の基板を作れば同じ様に動かせるって事ですよね。もう少し基板が小さいとあちこち取り付けやすいと思うし、やってみたい…… 真ん中のスイッチもタクトスイッチじゃなくてマイクロスイッチにすれば押し心地も良くなりそう。
というわけで、致命的な破損ではないと判断してそのままボールの外れたモジュールを取り付けました。
Microooonはトラックボールモジュールを表面にも裏面にも取り付けられるようになっていますが、表だとピンヘッダの分とさらにトラックボール自体の高さもあって周囲のキーが押しづらくなりそうだったので、裏側に取り付けることにしました。するといい感じに基板からボールだけが出っ張るような高さになります。
ProMicroの取り付け
ProMicroの取り付けは単にピンヘッダの取り付けみたいなものなので難しいところは全く無く。ただしモゲマイクロ等対策用にちゃんと丸ピンソケットになってて、必要な時にはProMicroだけ取り外せるようになっています。そういえば丸ピンソケットってあんまり使ったこと無くて向きがわからんってなりました。
細い方(根本が三角錐の方)がソケットに刺さる方です。根本が円錐で気持ち太い方が基板にはんだ付けする側。
完成〜
というわけで組み立て終わりました! ま、トラックボールは取れてっけどな!
通電確認も問題なし。そしてファームウェアの書き込みも驚くほど簡単でした。
ただ、こういう作業はWindows必須ですね。Pro Micro Web Updaterを使ったのですが、MacではChromeでもダメでした。
Pro Micro Web Updater
https://sekigon-gonnoc.github.io/promicro-web-updater/index.html
なお外れてしまったトラックボールはやはり所定位置にあるだけで問題なく動作したので、上の写真のように固定具を3Dプリンタで作ってみました。カバーにもなっていい感じです。
トラックボールの色が違う?
動作の方も問題なし、トラックボールも動いております。ヨシヨシ!
ただ、トラックボールのLEDの色は青を選んだはず(指定部分を半田でブリッジする)なんですが、赤く光っています。はて……? 基板の配線を見る限りモジュールのBLUに繋がってるっぽいので、モジュール自体のシルクが間違ってる気がします。
というわけで、直接電源に繋いで見ました。やっぱりモジュールのシルクが間違ってますね。赤と青のピンが逆のようです。
雑感
というわけでマイクロキーボード Microooon の組み立てでした。トラックボールが外れてしまったりはしましたが、大きなトラブルもなく無事完成して満足です。
ちなみに使用感ですが、とりあえずディフォルトキーマップだとマウスの右クリックがどこにあるかわからず…… 左クリックは普通にボールをクリックなんですが、長押しで右クリックというわけでも無く。右クリックがないのは自分の使い方では致命的なので、キーマップをしっかり書き換えてやらないとダメそうです。
あとはトラックボールが異常に遅く、OS側でカーソルを最速にしてもどうにもならない感じだったので、自分の用途で本格的に使っていくにはその辺をどうにかしないとなぁという感じでした。キーマップ書き換えでなんとかなるのかな?
それ以外は両手でパッド持ちした感じや、シリコンのスイッチも感触が良く、普段はそんなに操作しないサーバー的なサブマシンの操作にピッタリそうです。有線ではありますが、そういう用途って逆にBluetoothとかになってると接続待ちとか切り替えとかで不便なのです。
販売サイト
MicroooonはBOOTHにあります。2022/08/20現在は一時的に売り切れ……かな? C100当日も、軸の秤フォースカーブ測定サービスに閑古鳥が鳴く中、お隣で飛ぶように売れていたので……笑
ちなみに、Microooonのoは4つのようです。
小型自作キーボードキット microooon - nyaru lab - BOOTH
https://booth.pm/ja/items/3672582
組み立て方やファームウェアはGitHubに。
Home · nyarurato/microooon_doc Wiki · GitHub
https://github.com/nyarurato/microooon_doc/wiki
この記事はここで終わりです。
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