自作キーボードの暁に、東館より三賢人来たる

C93 自作キーボード本3冊

2017年12月29日。冬コミC93、一日目。自作キーボードの夜が明けたことを皆さんは御存知でしょうか。
そうなのです、自作キーボードの三博士が東館に現れ【自作キーボード本】という福音をもたらしたのです。あの時東館にいたあなたは、自作キーボード生誕の証人となるでしょう……!

BUILD YOUR OWN KEYBOARDs [compiled]

BUILD YOUR OWN KEYBOARDs [compiled]

賢者@pekasoがもたらしたのは、キーボードに関する知識を網羅した書でした。これは既に皆さんが聖典としてあがめている「BUILD YOUR OWN KEYBOARDs」「BUILD YOUR OWN KEYBOARDs 2」を新約したものです。加筆、総集編です。両聖典を持つ敬虔なるものも、持っていない不届き者も、この書を持てば救われるでしょう。
メンブレン、メカニカル、静電容量式といったキー種別の紹介から、100%~60%といったキーボードの大きさ、物理配列/論理配列といった、キーボード修行を積む上で身体で覚えている事柄を、体型だった知識として網羅されております。

また賢者@pekasoが作り出し「鈍器」「照明」「刃物」、そして蒼き魔法ブルートゥースによりそのケーブルから解き放たれた「手榴弾」も解説されています。腕に覚えのある者はこれを読めば同じ魔法を使えるでしょう。読んだけど僕にはまだちょっと無理そう。電池の知識とかちゃんと無いと危なそうです。

そうそう、キーキャップに聖なる刻印を施すすべも書かれているからして、あなたのキーキャップにもルーンを刻めるでしょう。この儀式は私もその体験談を記しました。未熟な私の失敗談を大いに踏み台とするが良いでしょう。また、PBTとABSのキーキャップを見分ける術はまさに魔法なれど、私は失敗いたしました。信心が足りないようです。

KbD C93 DECEMBER2017

KbD C93 DECEMBER2017

賢者@Biacco42がもたらしたのは、よりキーボードの作成に特化したプロセスカラーの聖典でした。彼の崇高な考え方「キーボードは現代の万年筆である」を我々もよく噛み締めましょう。
キーボードの自作をそれを構成するレイヤー、すなわちファームウェア、MCU、キーマトリクス、キースイッチといった要素に分解し説いています。これを読めば自作キーボードの構成要素とその現状の知識を簡単に手に入れることができますが、殊更自作に必要とされるファームウェア、キーマトリクスといった知識は既に電子回路やプログラミングといった術に明るい者に向けたものです。これらの基礎知識がなければ、これ一冊で自作キーボードが作れるとはゆめゆめ思わない方が良いでしょう。

しかし安心するのです。賢者@Biacco42はErgo42というキーボードをおつくりになられました。これはLet’s Splitより一列多い左右分割、直行配列のキーボードです。そのErgo42が誕生するまでの物語をこの聖典で読むことができるでしょう。彼はこのキーボードを我々のような若輩者にもお分けくださると予言しました。共に待ちましょう。Ergo42のグループバイを今年予定しているそうです。そちらなら少なくとも材料は揃っていると思うので、ハンダなどが初めてでも格段に挑戦しやすいハズ。

ねこでも作れる!オリジナルキーボード

ねこでも作れる!オリジナルキーボード

賢者@eucalyn_がもたらしたのは、より実践的にキーボードを作るための手順書でした。これは彼がそのブログに記した、Arduinoを使ったキーボードの作り方「オリジナルキーボードを作ってみる」をまとめたものに、blenderを使ってケースをモデリングする方法を追加した書です。Arduinoなどに抵抗がなければ、実際に電子回路を組み、あなただけのキーボードを作り出すことができるでしょう。

何より書の半分を占めるblender講座は、3Dプリントを使ったキーボードケースの作成をより実践的に学ぶことができるでしょう。自作キーボードはアクリルやステンレスプレートを使った平面的なものが多いのですが、3Dプリントを使うことでKinesis Contouredのような立体的なエルゴノミックデザインすら創り出せるでしょう。かく言う私も、自作キーボードINSS40のケースデザインは3Dで行いました。写真の右端に写ってるやつです!

ふぅ。もう疲れたのでやめていいですかねこの文体……

三冊とも自作キーボード本なのですが、それぞれ微妙にターゲットが違っていて面白かったです。電子工作あるいはプログラミング、DIY系に明るい方であれば、どれを読んでも自作キーボードに挑戦していける、まさしく自作キーボード本です。ただし、コレを読めば誰でも簡単に……というわけではなく、前述の通りある程度の前提スキルは必要となるので注意。その点では「ねこでも作れる」なら、努力さえすれば初心者でもついていく事ができそうです。他の2冊だけでは僕も到底キーボードは作れそうにありません(^^;

ちなみに、興味があってこれら自作キーボード本を手にした方の中にも、あまり意識していない人もいると思うんですが、一口に「自作キーボード」といっても3種類ほどあるんじゃないかなと。難易度の低い順に……

DIYキット
ハンダ付けだけでOKなもの。
オープンソース的なもの
材料は自分で調達、組み立てる必要がある。
完全自作キーボード
回路の設計、ケースデザイン等すべて自分で行う、自分だけのキーボード。

Gherkin組み立ての記事でちょっと触れたので、もし興味があれば読んでみて下さい。

さて、今回の自作キーボード本3冊がどの種類の自作キーボードをサポートしているかというと……

BUILD YOUR OWN KEYBOARDs [compiled]
完全自作キーボードメイン。オープンソースものとしてLet’s Split、DIYキットとしてPlanckのビルドログも。
KbD C93 DECEMBER2017
完全自作キーボード本ですが、Ergo42のグループバイが始まれば難易度の低いDIYキットになるのでは。
ねこでも作れる!オリジナルキーボード
ケースデザインの方法まで網羅する、完全自作キーボード本。

上記のような感じになっているので、自作キーボードに挑戦したい方は今一度自分の求める自作キーボード(DIYキットで大人の科学のような工作を楽しみたいのか、Let’s SplitやErgodox, Gherkinなどオープンソースものに欲しいキーボードが既にあるのか、それとも自分専用のオリジナルキーボードを作りたいのか)を考えていただいて、それにあった本をお求めになると良いかも。
まあ、ようするに三冊とも完全自作キーボード本なんですけどね(笑)。ただ、自作キーボードとして材料揃ってるDIYキットを思い浮かべていた方なんかには、三冊ともちょっとハードル高いと思います。

ここからは蛇足。

僕は完全自作キーボードに挑戦しているのですが、なかなか難儀していまして。何しろお三方とも基本スペックが高く、必要なスキルセットが揃っているためか、本当に知識のない「普通の人」がこれだけを読んで自作キーボードが作れるかというと、正直ハードルはまだけっこう高いんじゃないかなぁって思うんですよねぇ。
僕の場合は普通の人より少しだけプログラムが読めたし、Arduinoは全く触ったことがなくても、なんとなく興味はありました。それをとっかかりにゆかり氏の記事を読み、なんとか行けるかもしれないと挑戦していますが、ひとつひとつ勉強しながらなのでとても時間がかかりますし、勉強したところで付け焼き刃なのは否めず、変なところでつまずいて簡単には行きません。使用する道具ひとつとっても、選び方も種類もわからず、買ってみてからああ、こっちの違う方を使ったほうが良かったのかみたいな……

自作キーボードの先人達、はっきり言って、スキル高すぎワロエナイんです(笑)。とは言えこの中ではやはり、ゆかり氏が初心者に向けたキーボード自作をと頑張ってくださっているので、逆に自分も普通の人代表として、僕と同じくスキルはないけど自作キーボード、作れたらなぁと思っている人との架け橋に慣れればなぁと、傲りとも言える気持ちを抱く今日このごろなのでした。ちゃんちゃん。

そして宣伝

ちなみに自作キーボードの夜明けに沸き立つ東3ホールからは少し離れた東4の艦これゾーン、前代未聞の時雨キーボード本として「軸のブレない時雨ちゃん」を頒布しておりました!
“自作”でこそありませんが、キーボードに興味がない人でもキーボードがゆるりとわかる楽しい小冊子。そしてキーボードに興味がある人も可愛い時雨メカニカルキーチェーンとたまもちこさんの可愛いマンガで楽しめる優れモノ!
大変ありがたいことに完売しまして、増刷&追加生産の予定です。2月の砲雷撃戦で持っていければと思っているので、どうぞよろしくお願いいたします!通販もやってみたい……

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