Shapewaysで出力してみた素材まとめ
日本からは送料が高くなってしまうShapewaysですが、3D出力自体の価格は安いし、サイトの使いやすさが抜群ですゆえ、ナイロン以外の出力で使ってます。かれこれ5種類ほど違う素材で出力したことになるので、素材の違いを写真でご紹介します。
一番左がDMM.makeのナイロン(Shapewaysで言うところの”Strong & Flexible”)、2番め以降はShapewaysで順番に”Polished Metalic Plastic”, “Frosted Ultra Detail”, “Stainless Steel”, “Polished Bronze”, “Polished Gold”となります。
左2つがナイロンベースのSLS(レーザー焼結式)による素材、3つ目はDLP(光造形方式)、残り3つはプリンタの方式はわかりませんが、いずれも金属となります。
金属以外の3つを大きく撮るとこんな感じ。
一番左のナイロンは自分にとってはもうおなじみの素材なのですが、ナイロンパウダーを一層ごとに焼結させて造形するものです。要は粉をくっつけただけだと思うのですが、Shapewaysで”Strong & Flexible“(強くて柔軟)という素材名となっているだけあって、角砂糖のような外観からは想像できないくらい硬いです。それでいてバネ構造のような、しなるパーツにも対応できます。ホットシューカバーを作ったのですが、両側のバネっぽい構造もこの素材でバッチリでした。表面はザラザラですが、サンドペーパーなどを使えば滑らかに出来ます。
真ん中の灰色の素材は”Polished Metalic Plastic“。コンクリートのような見た目ですが、名前にプラスチックとある通り軽いです。これはナイロンパウダーにアルミニウムの粉を混ぜたものだそうです。写真だとわかりませんが、光にかざすとラメのように少しだけキラキラします。その分、ナイロンよりは脆いとのこと。なかなか使い所の難しい素材ですが、磨いた石のような見た目なので、アクセサリーなどに使えると思います。価格も安いので、貴金属ほどギラギラさせたくない、落ち着いた装飾に良いかもです。
一番右の半透明の素材は”Frosted Ultra Detail“、光造形方式の素材です。ナイロンよりはやや高価ですが、精度が極めて高いのが特徴。より細かい造形が必要なミニチュアなどに人気の素材です。半透明ですが、ナイロンと違って表面もなめらかなので、着色もしやすいと思われます。また、光造形方式のプリンタはサポート材と一緒に出力されますが、Shapewaysは当然その除去も行ってくれます(DMM.makeはサポート材の除去はやってくれないみたいです)。
それぞれ下部に名前を彫ってあるので、精度の差がわかります。一番左のナイロンは真っ白なので見づらいですが、基本的に真ん中のPolished Metalic Plasticとプリント方式が同じため、ほぼ同じような精度です。Polished Metalic Plasticの方が金属の粉が入っているぶん硬いせいか、エッジなどがやや強く出ています。
一番右のFrosted Ultra Detailは精度が自慢だけあって、細かい文字もはっきりと出ています。Polished Metalic Plasticで潰れてしまっている文字の細かい部分が、いずれもはっきりくっきり出ているのが写真でもおわかりいただけると思います。印刷したかのような見た目です。これは凄い。表面も滑らかですし、値段が安ければディフォルトの素材にしたいところですが、ナイロンと比べると倍以上の値段です。
さて、こちらはShapewaysにおいていずれも”Steel“に分類されている素材です。Shapewaysでは色や磨きの有無で7種類のスチール素材があるのですが、そのうちもっともノーマルな”Stenless Steel”、磨きありブロンズの”Polished Bronze”、磨きありゴールドの”Polished Gold”となります。
いずれも貴金属の様な輝きはありませんが、いぶし銀のようなアンティーク調の良さがありますね。見た目の重厚さもさることながら、金属だけ合ってその重さも重量級です。持った時にずしりと来る重みはこれぞ超合金といった趣でニヤニヤしてしまいます。
何故そうなるのかはわからないですが、ステンレス、ブロンズは積層痕が目立ち、ゴールドはあまり気にならないですね。ただ、積層痕も金属の模様だと思えば、むしろそれが良いのではという気がしてきます。
Frosted Ultra Detailよりさらに倍以上の金額になってしまいますが、是非一度プリントしてみて、3Dプリントとは思えないその重厚感を味わってみて下さい。
注意点としては精度がナイロン程は出ないのと、柔軟性もなく加工も難しいので、正確な寸法が必要なパーツの時は注意しないといけません。写真のキーキャッピーちゃんは金属素材用に少し調整したモデルだったのですが、それでもCherryMXスイッチが装着できませんでした。詳しくは以前の記事「Shapewaysでステンレス出力に挑戦! 超合金キーキャッピー製作中~♪」をご覧ください。
精度が余り必要にならない装飾類などにはどんどん使ってみたい素材ですネ。また、ナイロンより熱にかなり強くなるので、金属ならではの「封蝋用の印璽」といったものも作れてしまいます。詳しくは→黄金のたまもちこ先生像が出来てしまった……
というわけで、Shapewaysで選べる素材のご紹介でした。Shapewaysは本当にいろんな素材が選べて、なおかつ趣味の範囲の現実的な値段で出力できるので本当に助かります。DMM.makeも素材の種類だけであればShapewaysより多いくらいなのですが、ナイロン以外は目玉が飛び出る値段なので、試すことが出来ません。
Shapewaysではこれ以外にも貴金属、磁器など面白そうな素材がたくさんあります。既に磁器は到着を待っているところなので、届いたらまたご紹介します!