【感想】Amazon映画「トゥモロー・ウォー」迫力はあるが作りは雑な雰囲気大作
クライヴ・オーウェンのディストピアSF『トゥモローワールド (2006)』※1や、オール・ユー・ニード・イズ・キルこと『エッジ・オブ・トゥモロー (2014)』※2、はたまたディズニーの地味~な実写SF『トゥモローランド (2015)』※3など 〈トゥモロー〉と名の付くSFは存外に多く、既に頭の中ごっちゃごっちゃですが、ここに来てさらにもう一作品追加です。
- 実は邦題がトゥモロー・ワールドなだけで、原題はしっかりストーリー的に意味のある『Children of Men』です。うーんインチキ邦題の弊害。
- こっちは逆に原題が『Edge of Tomorrow』。ただLive Die Repeatとか呼ばれてた時期もあってどれが本物のタイトルが混乱しがちな作品。
- ディズニーランドのトゥモローランドを映画に落とし込んだ作品で、お馴染みイッツ・ア・スモールワールドが実はポータルで…… という夢のある作品。ドクターハウスことヒュー・ローリーとかも出てる。パッとしないけど悪くもない映画。
Prime Videoでしか見れないAmazon Originalブランドの映画となる『トゥモロー・ウォー』は、スターロードことクリス・プラット主演のSF大作(と、宣伝されている)。確かにお金のかかってそうなVFX、迫力ある映像で、一見ブロックバスターとおぼしき映画ですが、実際見てみるとうーん、まあ、そこそこと言うか、雰囲気は大作だけど中身は雑だなーって感じでした。
プライムに入ってれば実質タダで見れるわけだし、SF映画嫌いじゃない方はそれなりに楽しめると思います。ちょっと長くて疲れるとは思いますが。
↑登場するエイリアンを乗せた宣伝カーまで走らせてたみたい。気合入ってますね。
概要
2021年のAmazon Original映画。元々《もともと》年末に劇場公開予定だったものがコロナでおじゃん、Amazonに買われたみたいです。動画配信サービスがオリジナル作品を持つのもすっかり当たり前になりましたが、Amazonオリジナルはざっくりヒューマンドラマ系、アート志向の作品が多く、こういったわかりやすいエンタメ系は珍しい気がします。
原題はそのまま『The Tomorrow War』。スタッフロールが10分あるとは言え、たっぷり140分の2時間超え長編映画です。監督はクリス・マッケイという人で、実写映画を監督するのは初めてみたいですね。『レゴバットマン ザ・ムービー (2027)』の監督とかやってたみたい。
ちなみにAmazon Original映画の個人的なおすすめは、1800年代のロンドンで気球飛行の高度記録に挑むアドベンチャー『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり (2019)』(原題『The Aeronauts』)、未知との遭遇の静かな興奮をタイトロープのようなリアルタイム進行と長回しで情緒的に描くSF『ヴァスト・オブ・ナイト (2019)』です。
バットマンロビンことジョセフ・ゴードン=レヴィットとハイジャック犯の心理戦を描く『7500 (2019)』も悪くなかったです。
ジャンルは地球侵略系エイリアンものSF。ミリタリーテイスト、ちょっぴりタイムトラベルを添えて。近未来の話ですが、現代の人達が未来に行って戦うので、超兵器とかSF的未来ガジェットはほとんど出てきません。銃も現代のもの、一応軍人(と一部素人)で戦うのでミリタリーテイストが強く、軍隊式のタクティコーな構え方です。「Clear! Go!Go!Go!」って感じ。
エイリアンの容貌も別段目新しさはなく、いかにも凶暴な怪物といった強面デザイン。白い体躯《たいく》と触手の先から発射される棘《とげ》から 『ホワイトスパイク』と呼ばれていて、文明は持たない動物タイプのエイリアンですね。ひたすら襲ってくる系。
主演は堂々のクリス・プラット、その他にもJKシモンズとか出てて、あー劇場公開予定だったんだなーって様子が垣間《かいま》見えます(笑)。主人公の娘を演じるのはイヴォンヌ・ストラホフスキー、見覚えあるなと思ったのは『デクスター』の最後の方でデクスターをダメダメにするヒロインの中の人だから。
デクスター、最後の方のシーズンはドラマ自体がボロクソだったので彼女にもあんまり良い印象がありません……
The Tomorrow War (2021) - IMDb
https://www.imdb.com/title/tt9777666/
トゥモロー・ウォー - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC
あらすじ
Amazon.co.jp: トゥモロー・ウォー: クリス・プラット, J・K・シモンズ, イヴォンヌ・ストラホフスキー, ザック・ディーンタイムトラベラー達が緊急のメッセージを届けに2051年からやってきた。その内容は今から30年後の未来、人類はエイリアンとの戦争に敗れるというものだった。人類が生き残る唯一の希望は、今、ここにいる兵士や民間人を未来へ送り込み戦いに参加させること。娘のために世界を救うことを決意したダン・フォレスターは、地球の運命を書き換えるため、優秀な科学者と疎遠になっていた父親と結束し戦いに挑む。
2022年、未来から突如として現れた兵士達。
「30年後の地球はエイリアンに襲われて人類は絶滅寸前だ。助けてくれ!」
偉い人達も未来人の話をすんなり信じたようで、早速現代の兵士1,000人を送り込みます。しかし無事帰還したのはわずか3人。わざわざタイムスリップして来た未来人、何か勝算があるのかと思いきや、ただただ無策に人を増やせばなんとかなると思っていた模様。
その後も徴兵制までとって無駄に人を送り続け、ひたすら無駄死にさせるだけ。世界各地では「何が人類の危機だ、無駄死にじゃねーか」と反戦ムードに。
この辺《あた》りの、
“想像が難しい未来の危機に対する世論の反応”というのは、ちょうど今読んでいるSF小説『三体 (2008)』を彷彿とさせます(が、この映画での描写は雑で三体の足元にも及びません)。
主人公(クリス・プラット)は家族を愛する平凡な高校教師。元軍人で予備兵だったために徴兵され、遂に未来行きの順番が回ってきます。家族のために逃亡を考え、追跡装置を外す事ができる唯一の人物である父親(随分《ずいぶん》都合いいな……)を一度は頼りますが、「ここで逃げたら家族を捨てたこいつと同じじゃねーか、俺はこんな風にはならん!」と思い直し、未来に行くことを決心します。
まー、言いたいことはわかるんですけど、この場合未来に行くことの方が家族を捨てることにならん? 未来に行ってしまったらそれこそ父親と同じでは? という疑問も……
その後、一緒に未来に行く仲間たちと出会うわけですが、これがまた銃の使い方もわからない素人ばかり。一応彼らはリサーチ部隊、戦闘力ではなくその知識を要求されているのだというエクスキューズはあるわけですが、それにしたって未来人、無策過ぎない? この素人部隊を送って何か戦況が変わると思ったのか?
さあ未来に行くぞという所でお約束の緊急事態発生、転送装置が壊れ、地上付近に転送されるハズが高層ビルの遥か上空へ転送。ほとんどは哀れ地上へ真っ逆さま。主人公とその仲間は奇跡的にもビル屋上にあったちんまいプールに落ちることで助かります。あまりに運が良すぎて、ご都合主義と見るか、映画ってこういうものと見るか……(笑)
しかし、この手の映画でありがちな “連絡が取れず孤立”みたい面倒くさいステップはなく、すんなり未来の司令部とコンタクト、研究所から研究員達を助けるというレスキューミッション開始。しかしリサーチ部隊とか言って知識階級を集めた意味はこの時点で早くも崩壊(笑)。
それでも元軍人の主人公のおかげで事はスムーズに運び、なんだかんだ研究所から研究成果のみ持ち帰ることに成功します。もちろん道中ではエイリアンに襲われて死にまくり。「ここは俺に任せろー」的なお約束シーンもあるけど、キャラクターの描かれ方が今ひとつなので何の感慨もありません。
そんなこんなで主人公は未来人の本部に合流、未来のエイリアン討伐作戦に参加していくわけですが、あらすじ全部書くのもアレなのでこの辺で……
キャスト
主人公は『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー (2014~)』シリーズのスターロードことChris《クリス》 Pratt《プラット》。『ウォンテッド (2008)』冒頭でキーボードで殴られるだけだったジョックが、今やすっかり主演俳優としての貫禄を見せつけています。
高校教師の役なのにマッチョすぎだろと思ったけど、まあ一応元軍人という役なのでヨシ。残念ながら彼特有の面白さはこの作品では控えめ。でも絶妙にダサくてかっこいい雰囲気はいつも通りでした。特に冒頭のカーディガン羽織ったファミリーパパの格好とかほんとよく似合う人です。
ちなみに日本語での吹き替えはスターロードと同じ山寺宏一さん。『ジュラシック・ワールド (2015)』みたいな惨劇にならなくて本当に良かった。洋画の吹き替え、劇場公開が無い作品だと日本のクソ配給による素人ゴミタレントねじ込み事故が発生しないので本当に助かります。
主人公を捨てた過去があるお父さんを演じるのがJ.K. Simmons《シモンズ》。他の出演作ではあんまり見なかった気がするヒゲモジャ、悪くない。なぜか未来の追跡装置を外す技術を持っていたり、ロシアに密入国できるC-130を持っていたり、飛行機操縦できたり、狙撃の名手だったり。便利なお父さんである。
主人公と共に未来に送られ、相棒となる黒人はSam《サム》 Richardson《リチャードソン》という役者さん。ドラマが多いのかな? 最近はドラマ見ないので知らないのばっかでした。
“よく喋る情けないキャラ”という定番の三枚目を演じるんですが、話の流れ上、感情移入もままならないままメインプロットから抜けちゃうんですよね。後半に成長して帰ってくるんですが、言うほど成長する前も描写されてないし、抜けてる時間も長かったから
「あー、いたいた」って感じで印象薄し。
このキャラクターに限らず、なんかこう、どのキャラクターもモヤッとする中途半端な描き方なんですよねぇ。物足りないと言うか…… どのキャラも
「ぶっちゃけ居なくても物語に何の影響もないよね?」っていう。
あとは前述のデクスターの女狐ことYvonne《イヴォンヌ》 Strahovski《ストラホフスキー》とか、地味に『24《トウェンティーフォー》』のみんな大好き 『クロエ・オブライエン』も出てました。残念ながらセリフも少ないモブキャラ扱いです。見せ場はあるんですけど、それまでにしっかりと描写されてないので映画後半にはシーンごとすっかり忘れてしまうことでしょう。
警告はした!!
感想(ネタバレあり)
何しろ 〈SF大作〉って宣伝してるのがあんまり良くないかも。確かに見た目は大作っぽいんですけど、中身は全然なんですよ……
わけもわからないまま激しい戦火に放り込まれ、タクティコーな装備で手早く銃を確認する主人公。場面は一点、平穏な住宅街でカーディガンを羽織って就職面接の電話をしている主人公。面接はうまく行かなかったようですが、愛する家族に囲まれ、平穏に暮らしている様子。ところがテレビのサッカー中継が突如として光りに包まれます。
「我々は30年後から来た。このままでは人類は滅びる。あなた方が最後の希望だ」
THE TOMORROW WAR
タイトルドーン!
主人公の未来と現在のギャップ、テーマとなっている親子関係の描写、世界観の簡潔な説明、そしてストーリーへの導入。ここまで10分でこなしていて、おっ、これは面白そうだぞってワクワク。ここまでは……
ところがこれ以降徐々《じょじょ》にテンポがダレ始めます。作り込みがどうも雑だなと感じる描写が多くなり、冒頭の面白そうな雰囲気との落差で余計にがっかり感が助長されてしまっている気がします。個々のシーンも無駄に長いような…… 前述の通りたっぷり2時間超えの映画ですが、これはもっとコンパクトに出来たハズ。
プロット的にも、あらすじで散々ツッコんだ通り、未来の人達があまりに無策で奇跡に頼り過ぎなのが気になります。そりゃ映画ですから、本来ご都合主義なものだとは思いますが、それにしたって雑だろと。
そもそも、それこそ『三体』みたいに30年を存分に使って戦争に備えればよくね? と思うんですが、パラレルワールド式だからダメなのかな? でもセリフなどを追う限り現代の世界線でも30年後には人類が滅亡すると考えているようで、未来で勝利すれば現代の世界線でも勝利が確定するのかなどは今ひとつわかりませんでした。
そのくせ主人公が未来に絶望する生徒たちを諭すシーンでは「だからこそ勉強しないと。技術革新を続け、解決策を見つけよう」みたいな事言うんですよね。作り手としては、その主人公の信念の結果として娘さんが未来でエイリアンに対抗する研究を成功させたのだ、と言いたいのだと推測しますが、だからこそやはり、少しずつ兵を未来に送るという典型的な愚策
“兵力の逐次投入”を取らずに、全力で未来に備えれば良かったのでは……
他にも、ちょー大事な研究成果を回収しなきゃいけないのに爆撃を急ぐ軍とか(もはや主人公達しか生存者はいないのにあそこで爆撃を急ぐ意味 is 何?)、その研究成果も主人公達がたまたま転送を生き延びて奇跡的に助かったから回収できただけじゃんとか、そもそもリサーチ部隊は知識で未来人の研究を助けろとか言われたのにもう知識が必要な研究終わってるじゃねーかとか。
娘は娘でちょーめんどくさくて、下らない意地張って大事な計画についてなかなか話さないし、女王捕獲作戦はなぜそれで捕まえられると思ったのかさっぱりわからない油断しまくりの奇跡に頼った作戦だし、毒素の解析作業も手分けすりゃ早く済みそうなのに私が私がーって一人でちんたらやってるし。
そうかと思えばバイオハザード(映画)ばりのアクロバティックジャンプで一人活躍してみたり…… 人類を救う気はあるのか? それともかっこいいとこ見せたいだけか?
あとは取って付けたようなパラドックスの回避方法とかタイムリンクの説明も、別にその後なにか伏線的に絡んでくるわけでもなく。そういうのも雑だなーって思っちゃうポイント。
テーマになってる親子の話もそう。主人公、その娘、そして主人公のお父さんと、エイリアンとの戦いの裏に親と子の関係性みたいなテーマを置いているんでしょうし、だからこその中盤の未来の娘との涙の別れのシーンだとは思うんですが、残念ながら成功しているとは言い難い。
役者さんは必死に泣きの演技してるけど、見てる方としては悲しいくらい何も感じず。何しろキャラクターのうちに秘めた想いみたいのがひとっつも表現できてない(自分本分ということだけは伝わった)ので、「パパ愛してる」とか空虚に響くだけ。
娘が死ぬことより、転送装置みたいなやつ、めちゃくちゃ爆破されてるけどあんなんでも動くのかなーとかそっちの方がよほど気になってしまう。会場施設に大型客船が突っ込むシーンとかとにかくCGの迫力はすごくて、相変わらず雰囲気だけは大作なんですけどね……
毒の開発に成功して過去に持ち帰れたので、あとは
「大量生産して将来のエイリアン出現に備えるだけ。地球は救われました」とエンディングなのかと思いきや、そこから二部が始まるんですよね。どうやらエイリアンが現れる前に消滅させたいようで……
ここまでで十分映画一本分のボリュームなので、正直お腹いっぱいです。面白くてずっと見ていたいような映画ならまだしも、これはその逆。まだ続くのー? って思っちゃった。
冒頭の教室のシーンでよく喋る男の子とか、ホワイトスパイクの爪とか、相棒の職業とか、主人公のお父さんのスキルとか、二部では怒涛の伏線回収を見せるんですけど、正直なところもうダレちゃってるので今ひとつ盛り上がれず。エイリアンがロシアに隠れてる事がわかったのに軍の協力を得られず、なぜか主人公たちが個人的にエイリアン探ししてるのも草です。何万人(?)もの兵士を未来に送るのはなんとも思わなかったのにね。
そして最終戦、毒を使うのかと思いきや、結局逃げられて銃撃戦で片付けるという……(笑)。いやまー、毒で倒しましためでたしじゃ地味過ぎて映画にならないってのはわかりますが、あれ大量に持ち込んだ毒、結局4、5本しか使わなかったんじゃ……
当たり強めの感想になってしまったので、良かったところも挙げてみます。
良かったところ
🎬映像の迫力は本物
劇場公開予定だっただけあって、映像の迫力やCGのクオリティはブロックバスタームービーとして何ら遜色ない出来です。序盤のホワイトスパイクとの戦闘、追いかけっこ、そして大爆発。プロットがどうとか別にして映像は十分に楽しめると思います。
中盤での拠点壊滅シーンもなかなか。彼らが住居として流用していたであろう大型客船が暴走して海上基地に衝突するところは見事なディティールで、4Kで鑑賞しがいのありそうなシーケンスです。惜しむらくはその大型客船が基地到着シーンで見切れるくらいしか写っておらず、スケール感がいまいち伝わってこない事ですねー。 「あんなに巨大な船が……」みたいなのが感じられたらもっとエキサイティンだったと思うんだよなー。
🪓結局肉弾戦に持ち込んじゃうバカっぽさ
冒頭、エイリアンとの初戦からなんですけど、あんだけ銃でバンバンやっても敵わない相手に斧一本で白兵戦を挑むっていう、
“力こそパワー”なアメリカンテイスト、嫌いじゃない。
考えてみるとこの映画、その後エイリアンの女王を捕獲するシーンでも、ラストの最終決戦シーンでも結局エイリアンと素手で戦ってるんですよね。リアル志向で考えれば勝てるわけないじゃんって話なんですが、
「そんなバカなwww」的に映画としての見栄えはするわけで。クリス・プラットをもう少しユーモア強めで運用して、映画全体ももうちょっとおバカテイストなノリにしたら『バトルシップ (2012)』的に楽しめたかもしれないなーと。実際、めんどくさい娘が抜けた後半では割とそっちよりになってるんですよね。前半の未来の件《くだり》をもっとコンパクトに収めて後半のノリでまとめてほしかったなぁ。
🙈エイリアンをギリギリまで見せない演出
どういう意図なのかわからなかったんですが、エイリアン
『ホワイトスパイク』の姿をギリギリまで見せず、恐怖感を煽ることには成功しています。未来に行く前はどんな姿か教えてくれないし、未来に着いたあとも鳴き声や壁に刺さった爪ばかり見せて、全体像は双眼鏡にちょーちっちゃく反射させるだけだったり、死体を仄《ほの》めかしてみたりするだけだったりと、なかなかその容姿をはっきりと見せてくれません。
前述の通りそれが何かプロット的に意味を成しているわけではないので結局は肩透かしなんですが、ちょっとワクワクしました。でも流石に引っ張りすぎ。エイリアン映画で最初にエイリアンが映るまで50分て……😅
いじょ。ツッコミどころだらけではありますが、あまりハードルを上げずに観ればサマームービーとしてある程度は楽しめる作品だと思いました。
【余談】ポリコレ視点での印象
最近の映画、ゲームなど海外エンタメ業界のポリコレへの傾倒は眼を見張るものがある(褒めてない)ので、最近は映画もついついそういう目線で見てしまうのですが、この映画は別にポリコレって感じじゃなかったです。
まー、黒人ちょっと多いな? くらいは感じましたけど、どんな役者さんを出すのかは作る人の勝手ですしね。今はそういう感じにしないと映画作れないんでしょう。むしろアジア系とかヒスパニックとか黒人と比べると全然だったので、黒人以外の
“多様性”には無頓着な印象も受けました(笑)。
それ以外は特にポリコレっぽい説教とか政治的なメッセージも無く、フラットに見れる作品です。
そもそも、主人公クリス・プラットだしね(彼は敬虔なクリスチャンでキャンセル・カルチャーのターゲットにされた事もあって、今もSJWにはあまり良い目で見られていません。)。
実際、SJWはこの映画あんまりお気に召さなかったようで、
“クリス・プラットの労働階級への究極の媚”
“登場する女性、黒人、POCキャラクター全てが白人男性の引き立て役”などと書かれた上、「はいはい、ブルーカラーのアメリカ人を称賛すりゃいいんでしょ!」と皮肉たっぷりに、古臭いアメリカ保守的な思想が気に食わないとボロクソに書いています。たくさん黒人出したのにね(笑)。
[Archive]<br/>
The Tomorrow War review: Chris Pratt’s sci-fi film bogs down in its agenda - Polygon
http://archive.today/2021.07.02-070153/https://www.polygon.com/22559679/the-tomorrow-war-review-chris-pratt
この記事はここで終わりです。
読んでいただきありがとうございました。
良かったらシェアしてね!
That's all for this article. Thank you for your reading.
Please share this if you like it!