クロスオーバーとはちょっと違う、ユニバース系映画まとめ(2017年6月)

ここ数年の映画のトレンドとして、ユニバース系映画というのがあります。いわゆるMマーベルCシネマティックUユニバースのような、同じ世界の話を描いているけれど、シリーズ物というわけではない、独立した作品群の事です。
まだまだ数は少ないですが、少なくとも僕の好きな映画の中では流行っていて、これからもいろいろなユニバースを見たいのでまとめてみました。

※ちなみに、「ユニバース系映画」なんて言葉はありません。私が勝手に言っているだけですので、忖度そんたくして下さい(笑)

 
 
 

Marvel Cinematic Universe / MCU – マーベルシネマティックユニバース
今やアメコミヒーローにそれほど興味がない人ですら、名前くらいは聞いたことがあったりする元祖ユニバースです。
最初の作品であるアイアンマンはかれこれ10年近く前の映画で、属する作品は2017年6月に公開済みのものが15、公開予定作品が10作品と、シネマティック・ユニバースの元祖にして、最大のユニバースです。

さらにドラマでも同じユニバースを共有しており、既にS.H.I.E.L.D.シールドのメンバーはドラマに登場済みですし、クロスオーバーこそしていないものの、デアデビル、ジェシカ・ジョーンズといったNetflixのドラマに登場するヒーローも同じ世界に存在します。インフィニティ・ウォーあたりで合流するのではと言われており、パニッシャーとキャプテン・アメリカの共演など、夢は尽きません。

属する作品リストなどはWikipediaが詳しいです。
まだ見たことがない人も、とくに構えず好きなのから見ると良いと思います。シリーズ物と違い、原則的にはそれぞれが独立した映画になっているのがユニバース系映画の良いところです。順番にもこだわらず、好きなのを好きな順番で見れば良いと思います!

マーベル・シネマティック・ユニバース – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/マーベル・シネマティック・ユニバース


ドラマの中では、「ジェシカ・ジョーンズ」と「デアデビル(シーズン1)」がオススメ。どちらもヴィランが良くて、映画では短くて描けないヴィランのオリジン的な部分もじっくり見せてくれます。
一方で「アイアンフィスト」はイマイチでした。ヒーローがガキんちょ過ぎて、子供がやんややんや騒いでるだけだった印象です。

 
 
 
 


※バットマンvスーパーマンの評価にすっかり意気消沈のベン・アフレックさん

DC Extended Universe / DCEU – DCエクステンデッドユニバース
マーベルに対抗して、スーパーマンのリブート「マン・オブ・スティール」より始まったDCヒーローのユニバース。公開済みの作品はまだ3つだけですが、マーベル同様にヒーローは沢山いるので、今後も多数の作品が控えています。
「マーベルがすげぇことになってるからウチもやらなきゃ」と、とにかく急ぎ過ぎたユニバースで、今更やらなくてもバットマンはみんな知ってるでしょとばかりに2作品目にしてシビルウォー的な“バットマン対スーパーマン”の2大ヒーロー衝突をやってしまいました。
マーベルがすごく丁寧に、綿密に、単体作品を5作品も重ねた後にやっと「アベンジャーズ」として夢の共演を果たしたのとは対照的です。初めてヒーロー同士が衝突するシビルウォーなんか13作品目なのに……
そんなわけなので、マーベルと比較してしまうと、映画としての作りの粗さに目が行きがちです。もちろん、マン・オブ・スティールはドラゴンボールみたいなバトルちょーかっこいいですし、BvSはとにかくワンダーウーマンかっけぇと、見どころは沢山あるのですが…… ちなみに、スーサイドスクワッドは正直、もうDCEUは駄目かなって思いました(笑)。
ですが、次はワンダーウーマン。これは期待できます!っていうかもう後がないと思います!

DCエクステンデッド・ユニバース – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/DCエクステンデッド・ユニバース


予告編を見る限り大丈夫そうですが、万が一ワンダーウーマンがコケたら、その後のフラッシュやらサイボーグがいくら頑張ってもダメでは……

 
 
 
 

モンスターバース
2014年のハリウッド版リブートのゴジラと、同じくリブートのキングコングが存在する、いわゆる怪獣映画ユニバース。未確認巨大生物を研究する秘密機関「モナーク」が存在する世界です。
まだ2作品しか存在しませんが、2019年にゴジラ続編、2020年にはゴジラvsキングコングが予定されています。
ハリウッド版のモスラや、キングギドラが見られるかもしれず、本来であれば夢踊るユニバースなのですが、最初のゴジラの微妙な出来、そして2016年シン・ゴジラが面白すぎたことで私の中ではすっかり影が薄くなってしまいました。
ですが、御存知の通りゴジラは日本生まれということで、我々日本人に一番馴染み深いユニバースのような気もします。ゴジラには渡辺謙も出てたし!
キングコング 髑髏島の巨人はまだ見ていないので、7月のBDリリースが楽しみです!

モンスターバース – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/モンスターバース


ゴジラ映画を見たいのでしたら、「シン・ゴジラ」の方が面白いです……
2014年のゴジラと、1998年のエメリッヒ・ゴジラと比べても、正直後者のほうが好き……

 
 
 
 

シャマラン・シネマティック・ユニバース
ここに来てまさかのM・ナイト・シャマランがユニバース系映画に参戦。
とは言えアンブレイカブルとかエアベンダーとかアフターアースとか、この人はきっとコミックが大好き。そしてアンブレイカブルという最高のヒーローオリジンを持っているのだから、ユニバース系への参戦は必然だったのかもしれません。
2017年のシャマラン監督最新作「スプリット」のラストで、アンブレイカブルの主人公であるダンが登場し、さらにアンブレイカブルのヴィランを冠した映画「Mr.Glass」が2019年公開予定であることが明かされました。
17年越しのユニバース形成に度肝を抜かれるとともに、その名の通りアンブレイカブルなダンと、スペランカー的超虚弱体質なミスター・グラスの対決がついに見られると思うと今から楽しみで仕方ありません。アンブレイカブルではヒーローとヴィランの誕生までで、その後の衝突までは描かれなかったので。
ちなみに、スプリットという映画はユニバース云々を抜きにしても、とても面白い映画です。アンブレイカブルと合わせて、サスペンス・スリラー的要素も強く、ヒーローや怪獣に興味がない方でも楽しめる映画郡だと思います。
アンブレイカブルは、ダークナイトから主流の「シリアスなヒーロー像」をバットマンより5年も前に見せてくれていたのはすごいと思います。


あまり大きな声で言えない雰囲気になってますが、僕はレディ・イン・ザ・ウォーターも、エアベンダーも、アフター・アースも好きです……


アンブレイカブルのスコアはスプリットのラスト、ダンが登場するダイナーのシーンでも使われていましたね。静かなヒーローの誕生といった趣があってすごく好きな曲です。


アンブレイカブルと同じ「もし現実にヒーローがいたらどうなるだろう?」という視点の映画だと「スーパー」も決して忘れることができません。痛快ですが、現実は厳しいです。


現実にヒーローがいたら~その2。現実はもっと厳しい。もはや悲しい。

 
 
 
 

ダークユニバース
つい先日告知動画が解禁された、ユニバーサル映画のユニバース(ややこしー)。
古き良き、モンスター映画の元祖とされる作品群、ドラキュラやフランケンシュタイン、半漁人やミイラといったモンスターを現代風に蘇らせていくユニバースです。
正直、流行に乗っかったでしょ!?という印象はあるのですが、あの「半漁人」をどのように今風にリメイクしてくれるのか楽しみで仕方ありません。

マーベル作品もそうですが、ヒーロー映画が発表されたあと、オリジナルの見た目がどのようにリメイクされるのかが本当に楽しみですよね。ソーとかホークアイとか、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーのヨンドゥとか、オリジナルの見た目は正直笑ってしまう…… よくあそこまで現代風に違和感ないデザインにしたなと。映画のキャラしか見たこと無い方は、ぜひ画像検索してみて下さい。

今となってはB級扱いされることが多くなってしまった怪人達だけでは弱いからか、俳優陣が豪華なのもこのユニバースの特徴です。トム・クルーズ、ジョニー・デップ、ラッセル・クロウといった、マーベルヒーローはやってくれなさそうな面々です(笑)。とは言えアンソニー・ホプキンスだってオーディンやってくれたし、ジャック・スパロウはもはやアメコミヒーローみたいなもんだし、あまり変わらないかな。
逆に、MCUはアイアンマン公開当時のロバート・ダウニーJR、ソーのクリス・ヘムズワース、キャプテン・アメリカのクリス・エヴァンスとか、上り調子の俳優を捕まえるのが上手いですね。今となってはそれぞれのヒーロー作品の顔となっていますが、MCU以前は代表作というほどの映画はなかったイメージ。

ユニバース一作目はまず、トム・クルーズ主演の「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」が7月公開です。二作目はフランケンシュタインで、演じるのはノーカントリーで印象的だったハビエル・バルデム。三作目なのかはわかりませんが、ジョニー・デップは透明人間だそうです。

Dark Universe
http://www.darkuniverse.com/


こちらは「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」のオリジナル作品となる「ミイラ再生」
1932年の映画。実に85年前の映画です。もはや歴史。


書いてて思ったんですが、CGアニメの「モンスターvsエイリアン」はちょっとしたダークユニバースかもしれません。往年のB級モンスター映画に出てきたようなキャラクターたちがエイリアンから地球を守るお話です。
ダークユニバースでも、謎の組織「プロディジアム」が人知れず脅威から地球を守っているようなので。
ジャイアント・ウーマンになってしまう主人公が可愛いですし、半魚人も出ててすごく面白いので見たこと無い方は是非。

 
 
 
 


※こちらで解説してる方もメインシリーズの矛盾点はお手上げ。ウルヴァリン: X-MEN ZEROは無視!

X-MENユニバース(うそ)
ヒーロー映画でX-MEN作品は豊富にあり、昨年にはデッドプールも公開されたことから、一般層には「マーベルと同じっぽいやつでしょ」と思われているフシがあるんですが、まるでユニバースを構成していないX-MEN映画。
旧三部作であるX-Men, X2, The Last Stand、それからここ最近の三部作であるFirst Class, Days of Future Past, Apocalypseは少なくとも同じ世界で時系列も一応あるんですが、それすら矛盾点がチラホラ。
そこへ点在する、時系列とか細かいこと気にしないウルヴァリン映画。そして去年公開されたデッドプールはどうやら別世界。さらにローガン……

「ウルヴァリン Samurai」公開当初はThe Last Standの続編設定で落ち着いてたのにその後新三部作とはちょっと繋がらなくなっちゃった。
「ウルヴァリン X-MEN ZERO」ちゃんとしたデッドプールが公開されて黒歴史みたいになっちゃった。
「デッドプール」はわざわざ違うデザインのコロッサスが出てきたので違う世界。
「ローガン」プロフェッサーXも出てくるのに、どうやら繋がってはいないっぽい……

これだけとっちらかってるのに、ウルヴァリンは全部ヒュー・ジャックマンが演じてるし、デッドプールはぜんぜん違うキャラなのにどっちもライアン・レイノルズだし。アメコミに詳しくない人がユニバース作品だと思ってもしょうがない状態になっています。
何故このようなことになってしまったのか……
いや、理由は簡単で、ぜったい作る時になんにも考えてないんだよー!わーん!!

デッドプール公開前の騒動といい、公開するする詐欺のガンビットといい、X-MENじゃないけどファンタスティック・フォーのリブート大失敗と言い、20世紀FOXのヒーロー映画にはあまり良いイメージがないので、明確なビジョンがあってヒーロー作品を大事にしてくれるマーベルにさっさとX-MENを渡してくれと思わなくもないです。

X-MENの登場する映画がつながりをいかに気にしていないかは下記の記事がわかりやすいです。

X-MEN映画で辻褄の合わない「矛盾と謎」を9点に分けて解説する
http://d-kamiichi.com/archives/10083


ただ、辻褄が合わないとかユニバースを形成してないとかは映画の出来にはまったく関係がなくて、X-MEN映画どれも面白いんです。クイックシルバーはMCUに登場するクイックシルバーとは比べ物にならないくらい魅力的でかっこいいし、ヒュー・ジャックマンのウルヴァリンは見慣れすぎてもはや見るとなんか安心する。
ウルヴァリンばっかり有名ですが、個人的にはリーヴ・シュレイバーが演じたセイバートゥースも負けず劣らず野生の魅力があって良かったですね。もう辻褄が合わなすぎて破棄されたスピンオフだから二度と見られないだろうけど……


ちなみに、ナイト・ミュージアムの三作目、エジプト王の秘密にはヒュー・ジャックマンが本人役でカメオ出演していて、ウルヴァリンのモノマネを披露しています。X-MEN映画好きなら一見の価値あり。

 
 
 

おまけ ユニバースとクロスオーバー、スピンオフの違い
どれも似てますよね。はっきりとこうだ、とは言えないのですが……

あくまで個人的なイメージですが、クロスオーバーはある作品のキャラクターが全く別の作品に登場を果たすこと。これは昔からいわゆる「夢の共演」「夢の対決」としてよくあるパターンですね。中二心が胸躍っちゃうやつです。
例えば、エイリアンvsプレデターとか。ドラマではコールドケースのキャラがCSIに出たりしてました。あとは昔の漫画ですが、まじっく快斗にヤイバが登場した時もワクワクしました。今はなんか青山剛昌ユニバースみたくなってるとか、なってないとか。

スピンオフは言わずもがな、シリーズ物から派生し、基本的に同じ世界観、同じキャラクターで作られる別の話ですね。だいたい人気だったサブキャラが主役になったりするので、これも中二心が胸躍っちゃうやつです。
近年一番有名なスピンオフは何と言ってもスターウォーズの「ローグワン」ですかね。
ヒーロー物だと「エレクトラ」「キャットウーマン」がそうですね。
漫画だとゆるゆりから派生した大室家とか、ゲームだと魔界村のスピンオフ「レッドアリーマー」ゲームボーイでめちゃくちゃやってました。
考えてみるとスピンオフなのかクロスオーバーなのか曖昧なものも多いですね。さっきあげた「エイリアンvsプレデター」は、プレデターの世界にエイリアンがクロスオーバーしてきたとも言えるし、プレデターシリーズのスピンオフとも言えるし。

ではユニバースは何かと言うと曖昧で、クロスオーバーをたくさんしまくるとユニバースっぽくなるし、スピンオフ作品が沢山あってもユニバースっぽいと思います。
ただ個人的には、あくまで製作者側が同じ世界観であると意識して作ったものをユニバース系映画と呼びたいです。MCUだって、クロスオーバーしまくってるだけと言えないこともないですが、それをユニバースたらしめているのはやはり、MARVELがユニバースとして作っている点だと思うのです。
そして、製作者側が、実はこれらは同じ世界の出来事なのだよ……と明かしてくれる。やっぱり、中二心が胸躍っちゃうやつです!

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