完全自作キーボードへの道10:オリジナルキーキャップの3Dプリント
This post has English version here “Road to build my own keyboard part 10: Prototypes of original keycaps.“. Please be patient with my poor English!🙇
気長に挑戦中の自分だけの完全自作キーボード、その名もINSS40キーボード。前回「ケースの3Dプリントが到着!」で3Dプリントされたケースの実物をご覧に入れたのですが、その一つ前のモデリングの段階でいくつか作ってみたキーキャップの方も3Dプリントしてみたので、ご紹介します。
かなり成功してそのまま使える状態だったケースとは逆に、こちらは失敗もありまして、もう少し調整、改良が必要そうでした。うむ。
ほい、こちらがプリント上がってきた可愛いキーキャップ達です。これまで3Dプリントしたものと比べて、かなり薄い部分の多い造形になることが予想できましたし、Cherry MXのジョイント部分にも不安がありました。そこで最初から必要分を全てプリントせず、今回はお試しです。4種類のキーキャップを4つずつプリントしました。
DSAライク
まずひとつ目、オーソドックスなDSA風のキーキャップです。単純に見えてけっこうアールの複雑な形してまして、モデリングの良い練習になりました。とは言えDSAと全く同じでは作る必要もないので、できるだけ高さを押さえてみました。また、モデリング中はわからなかったのですが、上から見ると四隅の角丸が本物のDSAよりはかなり大きめで丸っこい形になってます。
高さを押さえつつ、キーを押下した時にスイッチと干渉しないよう内側は大きく空けてあります。そのため側壁はかなり薄くなってしまいました。測ってみると1.2mmちょい。裏側にはサインを彫ってみたんですが、薄すぎて表側が少し膨らんでしまっています。文字の溝はくっきり出ているので、もう少し浅い溝で良さそう。
スイッチに装着するとこんな感じ。少し丸っこい以外は普通のキーキャップに見えるかと。慣れ親しんだDSAに比べると、キートップの面積が少し小さいですが、タイピングは問題なさそうです。
横から見た高さはこんな感じ。DSAと比べて、キートップの高さを2mmほど低くすることが出来ました。高さに拘るならロープロファイルスイッチもありますが、種類が豊富なCherry MX互換軸のままで、キートップを差し替えるだけで簡単に2mm稼げるというのはけっこう意味があるのではないかと!
ロープロファイル風薄型
二つ目!
Kailhのロープロファイルや、ノートパソコンのキーボードのような薄型キーキャップです。こちらは押下時に干渉する部分をごっそり削ぎ落とし、限界まで高さを低くしたキーキャップです。とは言え、ノートパソコンの真っ平らキーキャップはあまり好きではないので、こう見えて本当にごく僅かですがSpherical Topもちゃんと実現しています。
しかしながら、キートップをあまりに薄くしてしまったため、裏面の名入れが表に出っ張ってしまいました。LED避けのための丸い溝も反対側つまりキートップ側でわずかに膨らみとなってしまっています。全体的に薄いので強度としてもやや弱く、指で簡単に曲げることが出来てしまいますが、キーキャップとして使えないということはありません。名入れを諦めれば見た目も大丈夫そうです。
スイッチに装着してみました。キートップが広く、見た目としてはノートパソコンのキーボードっぽくなりますが、全体的に角はしっかり落としたので、硬いイメージはないです。
横から見ると、先程のDSAライクとくらべても低く、DSAキーキャップと比べて実に約3mmほど低いです。ロープロファイルスイッチならぬ、ロープロファイルキーキャップと言って良いかと! その分Spherical Topの深さが犠牲になっちゃってますけどね。
Fancyスタイル
みーっつ目。ファンシーなレトロ風キーキャップ。これまでの2つとは違ってユニークな形にしてみたやつで、INSS40キーボード用のキーキャップはこれにしようと考えている本命です。
底面にの名入れの彫りは、これまでのように反対に浮き出てしまうことは無く成功です。ただ、底面のプレートから円柱状にせり上がる境界の部分の四隅の構造が薄すぎて、意図しない角が出来てしまいました。肉眼だとわかるんですが、写真ではほとんどわからないですね。データの調整でなんとかなりそうです。
スイッチに装着したところ。うん、オリジナリティありますし、我ながら可愛いと思います!
キートップの面積はDSAとほとんど変わらないですし、しっかりとSpherical Topになっているので指ざわりも良し。タイピングする感じも悪くないです。やはりこれでいこう!
DSAのキーキャップと比較すると、キートップはわずかに高くなってしまいます。おそらく差は1mmもなく、気になるほどではありません。円柱状にせり上がっている部分は低くできるので、調整するか迷うところです。
フラット
最後にこちら、スクウェアなフラットスタイルのキーキャップです。実際はフラットではなく、しっかりSpherical Topです。中央を球状に凹ませてあるんですが、写真じゃ全然見えないですね😅
※ナイロン素材、強くて見た目も綺麗で指ざわりも良くて大好きなんですが、唯一の不満は写真撮るのが難しいんですよね…… 真っ白で表面の造形が全部飛んじゃう。
スイッチに装着するとこんな感じ。四角いからか、漂う電卓っぽさ。とてもパソコンのキーボードには見えなくて可愛いんですよー。実は他3つと比べて一番しっかりしたSpherical Topになっていて、これが見た目に反してすごく打ちやすいのです。フラットどころか、丸い窪みを触ってる感じで、指にすごく馴染みます。
高さはDSAより少しだけ低め。さらにSpherical Topが深いので、指を置くともう少し低く感じます。パソコンのキーとは似ても似つかない形状ながら、けっこうエルゴノミックデザインになっていると思います。
以上四種類のキーキャップでした。4つ並べて装着するとこんな感じ。
実は全てのキーキャップに共通する問題があって、スイッチとの連結部分のサイズ感があまく、時々引っかかるんです。
上の写真のような形状になっているんですが、これはThingiverseにあったキーキャップの形状を真似して作りました。普通のキーキャップと違って長方形、さらに左右が分かれていますね。これはおそらく3Dプリント時の強度や、プリントの解像度を考慮してだと思います。しかしこの形状だとスイッチ側で可動する部分ぎりぎりになるので、少し斜めに押下したりするとすぐ引っかかってしまうようです。
DMM.makeで一度出力したことがあって、そのキーキャップは問題なくスイッチに装着できたので行けるかなと思ってたんですが、改めてそのキーキャップを試してみたらやっぱりひっかかった(笑)。
推察するに、家庭用のFDM方式プリンタ用の形状なのではないかなと。ナイロンなら精度も出るし、普通のキーキャップのような形のジョイントでも行けると思うので、作り直してみます。本当はアクリルが一番良いんだろうけどなぁ。DMM.makeのアクリルはめちゃくちゃ高いし、Shapewaysは送料すごいし。は~お金欲しい🤑
でもとにかく、可愛いキーキャップになりそうなので楽しみです♪ 思いの外フラットスタイルのが打ちやすくて気持ちいいんですよねー。
これまでの完全自作キーボードへの道はこちらです。
http://romly.com/archives/tag/build-my-own-keyboard
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