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【PS4】「The Last of Us Part II」レビュー。ポリコレと良いところとイマイチなところ

前作はPS3、実に7年ぶりの続編となる『ラスト・オブ・アス パート2』。前作もDLC版も楽しんだ自分としては当然にめちゃくちゃ期待していたのですが、なんだか発売前に盛大にケチが付いてしまい、そこから発売後も引き続き炎上状態にあるのが今作なんですよねー。
自分としても微妙そうだなあと感じていたので、予約せず迷っていたのですが、発売された後も海外を中心に悪評は留まるところを知らず。むしろ逆に気になってしまい、真偽をこの目で確かめねばならぬと購入して遊んでみました。

というわけで、良かったところと悪かったところ、そしてポリコレの話などを。

あ、ちなみにダウンロード版買ってめっちゃ後悔してますよ。もう二度とやらないのに売れないから。

The Last of Us Part II ダウンロード版 スタンダード・エディション 7590円

スタンダード・エディションでも7,590円。AAAだしね。けっこうします。自分の中でダウンロード版が当たり前になっててディスク版買って後で売ろうなんて微塵も考えなかった…… 後悔。

ネタバレなしざっくり感想

残念ながら、『ラスト・オブ・アス (2013)をわずか一作で偉大なIP足らしめたその素晴らしいストーリーテリングは完全に失われました。最初から最後までせいぜい凡作。むしろ待ちわびたファンから見れば、十中八九、駄作と感じるでしょう。

作品の雰囲気は前作と変わりません。人に感染する謎の病原体によって文明は衰退し、かつての大都市はもぬけの殻。崩れかけた高層ビル群の足元は豊かな緑で覆われています。前作でストーリーよりも映画『アイ・アム・レジェンド (2007)のような世界観そのものを楽しんだ方であれば、今作も引き続き楽しめます。グラフィックはPS4最後期のタイトルとして文句の付け所がなく、空気や水の表現、そして荒廃した大都市、生い茂る緑の美しさには拍車がかかっていて、その雰囲気をより一層リアルに感じられるでしょう。

敵として登場するエリー

朽ちた高層ビルとそれを飲み込まんとする自然はやはりラスト・オブ・アスの専売特許か。

システムも前作を踏襲とうしゅうしつつジャンプや匍匐が加わり、バラエティ豊かなアクションが楽しめるようになっています。グラフィックと合わせて、正統進化であることは間違い有りません。
ただ、一度だけ進行不能バグに遭遇しました。壁の裏側へ意図せず入ってしまい、脱出できずやり直すハメに。また匍匐が加わった割には、アビー前半はステルスできない武器ばかりで、ある程度のパワープレイを強制されるのはストレスが溜まります。さらにエリーでは必要のない、ステルスキルに必要なナイフすらアイテムを消費して作らなければなりません。

さて、大きく異なるのはストーリー。前作から5年後という時系列的にも直接の続編となる物語ですが、『レッド・デッド・リデンプション』シリーズや『ゴッド・オブ・ウォーIII (2010)を彷彿とさせる復讐がテーマとなっています。従って前作のきもだったジョエルとエリーの心温まる交流も、ロードムービー的な情緒もありません。アビー編では敵組織から逃げ出したレブと親睦を深めますが、前作のジョエルとエリーの関係には程遠い描写です。

それどころか、復讐物語としてもせいぜい中の下であり、レッド・デッド・リデンプションのような勧善懲悪(善かどうかは微妙ですが……笑)も、ゴッド・オブ・ウォーIIIのような爽快感もありません。後味が悪いのに評価が高い映画、いわゆる胸糞むなクソジャンル的な味わいもなく、ひたすら微妙な結末です。
加えてゲーム時間も無駄に長く、ストーリーや舞台の起伏も薄くて冗長でテンポが悪いです。

QTE

ゴッド・オブ・ウォーIIIを彷彿とさせるQTEシーンもあります。しかし、エリーとプレイヤーの気持ちがうまくシンクロしていない上に、殴る相手に対して、憎む気持ちどころか誰だかよくわかってないのでひとっつも気が入らない。ゴッド・オブ・ウォーIIIのそれは本当によくできていたんだなぁとしみじみ。

総評

おすすめしません。特に前作のファンである程、おすすめしません。敢えてファンの心を逆撫さかなでするようなプロットを作り、それをもって「どうだ、腹がたっただろう? これが心を揺さぶるってことだ」と勘違いの自己満足に浸る哀れなディレクターの心が透けて見えるだけです。

ポリコレ騒動について

心配したほど[ポリコレ死]はしていない

今作の炎上というか、悪評に拍車をかけているのがポリコレ騒動です。スターウォーズ続三部作のような、いわゆる[ポリティカル・コレクトネス、政治的に正しい]描写に固執こしつするあまり、自らその表現をしばり自滅している、というような説がまことしやかにささやかれています。
筆者はここ数年ポリコレ騒動を積極的にウォッチし、最近はツイッターで発信している事もあって、シリーズのファンとして、そしてまたポリコレに支配されゆく創作をうれう者としても、ラスト・オブ・アス2が実際に[ポリコレの軍門にくだった]のか確かめるのも大いに楽しみでした。

結果的には、思っていたほどではありませんでした。スターウォーズ続三部作のような目も当てられない駄作ではありませんし、ストーリーに目をつぶればグラフィックやゲームプレイ自体はAAAとして一定の品質を保っています。もちろんそれが面白いかどうかは好みですが。

そのマッチョ過ぎる姿で話題にあがったアビーも、内面は比較的理解しやすい、クセのない人物として描写されています。海外で話題になったセックスシーンは日本版では規制されており論じることができませんが、人物の関係性を描写する上で特におかしな表現という事はありませんでした。

  • もちろん、海外において、あのシーンがOKなのに、日本のアニメ的なゲームのおっぱいが規制されるのは大いに不公平で問題を感じますが、それはまた別の話ということで。

槍玉に挙げられる主要キャラクターの死も、ポリコレだから、という程の違和感は感じません。あの部分の問題はポリコレなどではなく、あれを納得させられるような力強いストーリーには程遠いという事でしょう。

[ポリコレ官給品]である事は間違いない

しかし、本作が作品であることは疑いの余地がありません。ディレクターであるニール・ドラックマンは、(頭のおかしい)ラディカル・フェミニストであるアニータ・サーキシアンのファンであることを公言し、『メタルギアソリッドV (2015)のクワイエットやHaloシリーズのコルタナを“女性を性的モノ化して軽んじている”などと論ずる、典型的ツイフェミのような人物です。

アビーの外見も、ルッキズムに対するアンチテーゼとして彼の理想である政治的に正しい女性像を描いたであろう事は想像にかたくありません。
アビー編に登場する、トランス的な描写をされるキャラクターもそうでしょう。
もちろんエリーの恋人であるディーナがユダヤ系であることを強調し、シナゴーグのくだりがねじ込まれているのも人種に考慮した結果でしょう(だって伏線にも何にもなってないんだもん)

それらが殊更悪いことだとは思いません。開発者が好きなように作れば良い。ただただ思うのは 「ポリコレに拘るのは構わないが、面白いゲーム作ってくれ」ということです。ポリコレを信奉する人達は、“ポリコレに従う=素晴らしい(面白い)作品”だと信じているフシがあります。違います。
ポリコレに従いつつ面白い作品は作れますが、最初からつまらない作品が、ポリコレに従ったからと言って面白い作品に化けるわけではありません。この大きな違いをニール・ドラックマンさんは噛み締めて欲しいところですが、もう手遅れです。

アビー・ザ・プロテイン

まあ言ってもアビーさん、不自然にマッチョ過ぎですけどね。崩壊した世界で特に地位もない一兵卒がどんだけプロテインとめし食ってんだよと(笑)。あと歩く時の音が普通にドシンドシンなのもウケる。
(というか、むしろバカにしてないかとすら感じてしまう)

というわけで、ここからはネタバレです!
個人的には一切おすすめしない本作ですが、良いところも探していきましょう。



⭕良いところ

💯吹き替え声優陣が素晴らしい🗣️

ジョエル役の山寺やまでら宏一こういちさん、エリー役のはんめぐみさんはもちろん続投。初登場となるエリーの男友達ジェシーには『ファークライ5 (2018)でジョン・シードを演じる他、アニメでもお馴染みの杉田すぎた智和ともかずさん。
他のキャラクターからも、あー吹き替えで聞いた事ある気するわーってな感じの素晴らしいベテラン声しか聞こえません。ストーリーはさておいてもキャラクターの声は聴き応えあります。この辺の要素は日本人でラッキーだったかも。

ジェシー

ジェシー。頼れるいいヤツな事が災いして元カノにさんざん振り回された挙げ句あっさり死ぬ可愛そうなやつですが、杉田さんの抑えた演技は大変良い。

💯自然にかえった大都市が素晴らしい🌲🏙️🌲

これはやはり圧倒的に素晴らしい。今回の舞台は殆どシアトルだけなのでロードムービー的なワクワク感は消滅してしまいましたが、その分一つの街の様々なランドマークが朽ち果て、自然に飲み込まれている様が存分に楽しめます。建物の内部まで生い茂る緑は相変わらず、ほとんど水上都市のようになってしまっている海に近いエリアも楽しめますし、流石の大自然も到達できていないビル屋上の探索もありました。

水没都市

シアトルの港に近いエリアは水没し、ボートで移動するようなシーンもある。ボート操作に癖がありすぎてイライラするが、景色はジャングルクルーズの趣で良い。

前作と今作の間にはラスト・オブ・アスと同じ様なPSオンリータイトルとしてHorizonホライゾン Zeroゼロ Dawnドーン (2017)Daysデイズ Goneゴーン (2019)という2つのポストアポカリプスを舞台とする作品がありました。いずれも文明崩壊後に自然に還った未来の地球を楽しめる大作ではありますが、前者は時が経ち過ぎて戦争もあったことで建物は殆ど残っておらず、後者は比較的田舎が舞台のために高層ビルなどは登場しません。やはり“高層ビル×大自然”の近未来感はラスト・オブ・アスの面目躍如といったところでした。

  • とは言え、ゲームの面白さで言ったら圧倒的に上記の2作品がおすすめです。千倍くらい楽しめるヨ。

ビル屋上のクレーン

基本的にはずっと朽ちた建物と外の往復で景色が変わり映えしないため、要所要所にこういった変化のあるレベルを登場させようという心意気は感じるのだが……

💯ロードがない🚅

今日日きょうびタイトルでは当たり前になりつつありますが、ゲームプレイ中のロードはありませんでした。その代わり、ムービーはかなり長いし、移動速度を制限されるシーンもままありますが、ストレスを感じるほどではありません。
ただ、ゲームプレイ中にロードがないだけで、ゲーム起動直後のゲーム開始時のロードはけっこう長いんですよね……

❌悪いところ

☹️ストーリーが微妙、キャラ交代は最悪

プレイヤーとエリーに生じる微妙な気持ちのズレ

なんと言ってもストーリーが微妙、今作はこれに尽きます。逆に、このストーリーさえ前作のような素晴らしいものであれば発売前の悪評をも吹き飛ばせたのに。

感情移入、一切できません。だってできないように作ってあるんだもの。

ゲーム開始時はエリーとしてプレイします。そしてすぐにアビーの操作を経て、ジョエルが殺される。この時点ではなぜアビーがあそこまでジョエルを憎んでいるのかが明かされていないため、ミステリのおもむきが強くて少しワクワクしたんですが…… 別にこの先も全然ミステリにはなっていないので面白くもなんともありません。

プレイヤーとしては復讐に燃えるエリーに共感して進めていく事になるわけですが、妙にテンポが悪い。
エリーが犯人を追う様を良く言えば地道に、悪く言えばダラダラと愚直に書いているので、単純にプレイ時間が長い上に、あまり意味があるとも思えない微妙なオープンワールド風探索エリアなどがあるせいで、復讐という名目に反してずいぶん悠長な事してるなぁと感じてしまう。しかも、敵討かたきうちだけでなく、先に発ったトミーの捜索も兼ねているのですよ。一刻も早く追いつかなければならないのに。

前作はジョエルとエリーが道中で絆を深めていくロードムービー的な流れだったので、遠回りすら感情移入に貢献していたのですが、今作の話だとプレイヤーとしても急く気持ちがあるので、だらだら探索をさせられたりすると、エリーとプレイヤーの気持ちに微妙なズレが生じてしまう。ここが感情移入しにくいポイントの一つ。

いや、エリーとしても丸一日探索した夜にまた出かけたりと頑張っている描写はあるんだけど、プレイ時間すげー長い割に景色はあんまり代わり映えしないというのもあって……
エリーはエリーで恋人が付いてきた事に浮かれてるのか、二人でちんたらピクニック気分的な描写も多いし、妊娠が発覚した時や元カレのジェシーが登場した時など、いっちょ前に拗ねてみたりするし…… 多分、この時点で前作のファンは結構な確立で 「いちゃいちゃしてないでジョエルの事考えてくれよ」みたいな気持ちにならないだろうか…… 自分はなりました。
そして、やっぱりエリーはサイドキックだから素晴らしいのであり、プレイヤーの分身として主人公を張るうつわではないなと…… 前作のDLCはエリー主人公でなんとかなってたんですけどね。あれは物語全体がちゃんと絞られてたからだろうか。

アビーへのキャラ交代が両キャラへの感情移入を断つ

そして「いざ復讐を遂げん!」というところで唐突に入るアビーへのスイッチはどういう意図なのだろうかと。
アビーにも事情があるということはわかる。しかしそれをプレイヤーに追体験させる意味は何だ。彼女の気持ちにより共感して欲しいということだろうか? であれば大失敗です。何しろこちとら今まで軽く14、5時間をエリーとして、アビーを殺すために追ってきたのです。急にそのかたきであるアビーを操作させられても不快感しか生まれない。しかもアビーはよくある[魅力的な悪役]としては描かれていない。ジョエルを惨殺した以降、登場すらしていないんです。外見も含めて何の魅力もない、知りもしないキャラクターを操作させる意味がさっぱりわからない。

それでも、またとんでもなく長い時間を嫌々アビーと過ごし、なんとか情も湧いてきたところで登場する[敵キャラとしてのエリー]。十数時間に渡ってプレイヤーの分身であり、気持ちのり所だったエリーが、プレイヤーの意思とは関係なく、AIによってバカな動きを繰り返すただのボスキャラとしてプレイヤーの前に立ちはだかる。
「なんだこのバカな動き。結局こいつは自分の分身でもなんでも無い、物語における装置の一つに過ぎない」と、わずかに残っていたエリーへの感情(移入)は見事に消え失せてしまいます。

敵として登場するエリー

そこらの敵と同じようなAIに成り下がったエリー。プレイヤーの感情移入を徹底的に拒否するスタイル。

それと同時に、やはりエリーを殺すのも当然気持ち的にははばかられるため、アビーを操作して攻撃したくないという気持ちから、アビーへの共感も吹き飛んでしまいます。結局、そこに残ったのはストーリーを進めるための機械的な単純作業だけです。

それでもなんとかと、互いが復讐を諦め、“復讐は何も生まない”といったお約束の結末かと思いきや、なぜかまだまだ話は続き、エリーとして、そしてアビーとしてもプレイを続行させられる。これがまたダラダラとテンポ悪く長い。もうこの時点でキャラクターへの感情移入とかそんな次元の話ですらなく、 「復讐遂げようが遂げまいがどっちでもいいんじゃないっすかねー」ハナホジー てな感じで物語に対する興味を完全に失ってしまっているのです。

それでもなんとかエンディングを見るまでは評価もできまいと、面白くもなんともない単純作業を繰り返して本当の結末に辿り着くわけですが、これが何を考えてこうなったのか、最初のにエリーとアビーが対峙した時と全く同じ結末。意味がない。
アビーの疲弊した姿も、 「ああ、このためにわざわざキン肉マンにしたのか……」とその安直あんちょくさにがっかりしました。一度は諦めたハズの復讐を、手に入れた幸せ(家族)を捨ててまで求める理由も、それを土壇場どたんばでまた諦める理由も弱すぎます。

結局ね、エリーさん。アビーを殺そうと思って殺すのやめて、それから殺そうと思って殺すのやめてるんですよ。ば、ばかなの……? こんなぐだっぐだなお話見せられて何を感じろっちゅーねん。

というわけで、前作の素晴らしいそれと比べると単純に焦点が定まっていない、とっても微妙なストーリーなのです。輪をかけて酷いのが、製作者の「プレイヤーにも憎しみを植え付けてやるぜ」という自己満足。敵キャラを殺した時に仲間がいちいち名前を叫ぶのもそう。ゲームだからと何も考えず殺しを繰り返すプレイヤーに気不味さを味あわせたいのでしょうが、ジョン・ウィックが敵を撃つ度に「この人にも家族が……」みたいの見せられたら単純に興ざめでしょ… 入る気持ちも入らないよそんなの。

アビーの回想

アビーの回想シーンでは前作で印象的なファイアフライの病院の廊下が繰り返し登場する。ファークライ5のジェイコブ・シードの訓練を彷彿とさせ悪くないのだが、プレイヤーにジョエルが憎いという共感を抱かせるには至らない。

🥱感染者が空気

前作はシリーズ一作目ということもあり、全てのプレイヤーが恐ろしい感染症の知識を持たず、また[治療のカギとなるエリーをファイアフライという医療チーム的な組織に届ける]というストーリーでした。これによって物語のテーマこそ人間同士の争いではあるものの、ストーリーと謎の感染症は切っても切れない関係でした。

ところが続編となり、前作を遊んだプレイヤーは感染症とそれによって生まれるクリッカーなどの敵キャラにすっかり慣れてしまいました。そしてゲーム中の登場人物達すら、クリッカーなど感染者の脅威にすっかり慣れきっており、二十歳にもいかない女性たちが殺した数を競う程度の雑魚に過ぎなくなっています。誰も治療のことなど考えていないし、研究もしていないし、軽く襲ってくる野生動物程度の扱いです。

結果、単なる敵キャラ、障害物としてしか機能しておらず、病原菌についての言及はほとんどありません。せっかく、前作では登場しなかった“ラットキング”という感染者第一号的な新しい種族が登場するのに、その扱いすら「なんかやべーのいた気がする」と、仲間との話題にすら上らない程度。主人公は己の復讐で頭がいっぱいなので、新しい感染者とかどうでも良いのです。そういえばシャンブラーという新種族もいたはずですが、それもほとんど触れてませんでしたね。だいだいあいつブローターと殆ど同じじゃん……
この作品って一応近未来SFでもあるわけじゃないですか。もう少しなぜ世界がこうなったのかとか、その原因である病原菌は何だったのかとか、考察する余韻が欲しいんですよ。その辺、『バイオハザード7 (2017)とかはやっぱり上手いですよね。ウィルス的なものの原因も、それによって苦しむ人々のドラマもちゃんと楽しめるようになっている。

ラットキング

この謎の病原菌の感染者第一号と思わしきラットキング。しかしアビーは興味がないし、エリーは出会いもしない。プレイヤーの知的好奇心など知るかという感じで一切掘り下げてくれない。開発の「感染症とかもうどうでも良くね?」という気持ちをひしひしと感じる。

🧙カルト教団が空気(流れ者集団も)

これ、作ってる途中で話を変えましたよね?

アビー編のサブキャラクターとして終始行動を共にし、前作におけるジョエルとエリーのような関係を築いていくことになるレブとその姉のヤーラ。彼らはセラファイトと呼ばれるカルト集団から脱走してきたという設定です。

電気などの文明を否定する教えを持ち、弓などをメインに戦いながらも、アビーの所属するWLFウルフという軍隊とやり合うほどの集団。仲間同士の連絡には独特の口笛を使い、密林での戦闘にも長けている事がうかがえます。そして街の至るところには教祖と思われる人物の壁画が描かれており、かなりの勢力を持っている事が示唆されます。
ヤーラとレブからその教えがちらほらと語られ、物語後半では彼らの本拠地となっている島も訪れます。そしてWLFの全面侵攻により炎に包まれ陥落するわけですが…… それだけ。

あれだけ街に溢れていた壁画の人物は誰なのか一切触れず、どうやら死んだらしいみたい事が会話からわかるのみ。ヤーラとレブ以外にセラファイト出身の登場人物はモブ敵としてしか登場しないため、教団側の目的などは全く謎のまま。視覚的にゲーム中最大の見せ場である派手な大炎上シーンも、そもそもどういう場所なのかわからないために今ひとつピンときません。そこでボス的に登場する敵キャラもめちゃくちゃ強い(おそらくゲーム中に登場する人間の敵として最強)くせにバックストーリーは愚か名前すら無いモブだし、そういえばセラファイトの人物が“スカー”と呼ばれる所以である顔の傷にも触れていませんでした。
ヤブとヤーラの出自に関わる設定で、キャラクターを構成する重要な要素の一つだというのに、あまりに杜撰ずさんな描かれ方です。

セラファイトのボス

多分、ラスト・オブ・アス2の世界の人間で一番強い、セラファイトで戦うボスキャラ。でも無名。モブ。誰だこいつ。何故怪物のごとく強いのかも謎。

勝手な推察に過ぎませんが、当初はもっとシナリオに絡む形だったのではないかと思うんです。だってあれだけ教祖様の壁画見せておいて名前すら登場しないとか物語としてちょっとあり得ないですもん。島へ潜入するシーン含め、あまりに存在が不明瞭で体感としても恐ろしくモヤモヤするし。

セラファイトの島の炎上

炎に包まれるセラファイトの本拠地は後半の見せ場であるハズだが、そもそもこの人達の目的や存在意義などが全然描かれていないので、その本拠地が燃え盛ろうが何の感慨も無いのである。

同じ様に、後半に登場する流れ者の集団、ラトラーズ(?)もまー雑な描かれ方でしたね。“アビーが捕まって拷問させられている”という状況のためだけにでっちあげた超適当な設定という印象を受けました。もちろんこの規模の開発がそんな適当なプロットの作り方をするとも思えず、やっぱりなんかシナリオが開発中に二転三転してるんじゃないかなぁと思っちゃうんですよねぇ。や、もちろんそれ自体は悪いことではないんですが、結果がコレじゃあ、ねぇ。

アイザックも空気

雑な描き方といえばWLFのボス、アイザックもそう。アビーを信頼していたが後に敵対する事になるというありがちな上司キャラだが、2回位しか出てこないし影が薄すぎ空気すぎ。

😑微妙な探索要素要らない

エリーがシアトルに着いた時などが顕著けんちょなんですが、全然オープンワールドではない一本道ストーリーのくせに「このエリア内だけ好きな順番で攻略していいですよ!」みたいの、はっきりいって邪魔と言うか…
『ゴッド・オブ・ウォー (2018)もそうだったんですけど、ストーリーを追うゲームにどっちつかずの似非エセオープンワールド要素入ってるのあんまり好きじゃないんですよねー。ストーリーが気になるから進めてるわけで、あちこち回るの面倒くさいです。さらにゴッド・オブ・ウォーと違って、ラスト・オブ・アスはアクションが爽快で気持ちいいとか言った類のゲームでもないですしね。そのくせ、回ること前提に作ってあるから回らないと必要な資材とか後で困るので、嫌々いやいや回る感じになってしまって。
一本道ストーリーは堂々と一本道ぜんとしててくれればいいんよ……

シアトルの地図

あとマップがリアル過ぎてみにくいし分かりづらい。崩壊以前の観光案内だから実際に歩ける場所とか全然わかんないし。そこは普通のマップでいいんよ……

🙄アイテムが足りない

武器の改造要素は前作を継承。更にカチャカチャ改造する時も、ちゃんとキャラクターが作業台の上で銃をいじっているモーションがそれぞれの武器、改造ごとに用意してあるなどパワーアップしてます。
それはいいんですが、資材がまー足りない。そのくせ武器の種類は後から後から結構増えるので、 「どうせ後でもっといい武器が手に入るかも」 「いや作業台しばらくなかったし今のうちに改造しよう。でもどれを?」 「改造したけど言うほど使わないな」などなど、なんだか全体的にしっくり来ないシステムだなと感じました。

さらに今回はメインキャラが二人で資材も武器改造も共有されないので、 「どうせこのキャラは繋ぎだし」 「改造してもあっちには反映されないし」みたいなセーブする気持ちが生まれてしまい、輪をかけて微妙な感じに。結局、後半殆ど改造せずに資材余らせちゃって、適当に必要もない改造して、その武器自体使わずに終わっちゃう、みたいな。

武器の改造台

武器の改造台のアニメーションは良いが、資材がそんなに手に入らないし、改造台も少ないので[改造したい時][資材が溜まった時][必要な時]のタイミングが合わず、あまり気持ちよく改造できない。

スキルツリーもそうですねー。最初は順当に解除してたのが、アイテム入手でスキルツリーが増えることがわかると 「もっといいスキルを持つツリーが後で登場するかも」とセーブしてしまい、それなりにスキルツリーが揃ってきた頃には戦闘にも慣れているため、うーんどれも無くても困らないかと冷めてしまう。サプリメントが手に入る量が少ないこともあってイマイチ充実感もなく、解放した時の喜びも薄く、サプリメントが勿体ないという気持ちばかりで、スキル開放の快感が感じられませんでした。
そして武器のときと同様、キャラ交代が悪い方に作用してしまうんですよねぇ。 「またゼロからスキル覚えるのかよ」みたいな……

スキルツリー

スキルツリーは比較的シンプルだが、後から後からツリーが追加されていくスタイルなのでなかなかパワーアップするタイミングがつかめない。揃った頃には特に必要性も感じられず、放置しがち。
まあ、高難易度では重要なのだとは思いますが……

何も入ってない引き出し

素材の少なさに関連して、建物では引き出しや戸棚などを調べてアイテムを手に入れることができるわけですが、例えばドラクエの様なRPGであればありとあらゆる引き出しが調べられるようになっていて、その中で時々アイテムが見つかるスタイルですよね。
ラスト・オブ・アス2では戸棚などオブジェクトの見た目からは調べられるかどうかが一切わからず、キャラクターが近づいてボタンガイドが表示されて初めて“調べられる引き出し”だとわかるシステムです。調べられる引き出しや戸棚は、グラフィック上で多数見つかるそれに比べて非常に少ないです。そのくせハズレ、つまり何も入ってない事が割とある。素朴な疑問として 「え、なんで調べられるようにしたん?」と思ってしまうわけです。だったら最初から調べられないようにしておけばいいじゃん、と。

😶開始直後のロードが長い

ゲーム中のロードは無いんですが、ゲーム起動直後だとゲーム開始、あるいはロードしてゲームを始めるまでにロードが入ります。一分弱といったところでしょうが、 「うーん、あのロード入るの嫌だからクリアするまでは他のゲーム起動するのは我慢しなきゃか……」程度には億劫おっくうでした。ロード画面が退屈すぎるからか、はたまたゲーム中にロードがない事があだになってか、妙に長く感じてしまいました。

ローディング画面

起動直後のロード画面。光に集まる羽虫がパタパタしているのだが、非常に長く感じる。

😡ディレクターがファンを煽りまくり

ゲームを遊んだファンとして一番腹が立つのがこれですね。ディレクターのニール・ドラックマンが悪ノリしまくりなんですよ。

一番気持ちが悪いのはファンに向けて「ファンを愛してるし尊敬してるが、気づいてない奴がいるかもだから教えてやるよ。愛と尊敬を足しても迎合にはならないぜ」と、ご丁寧にファンを鼻で笑う仕草をエリーのモデルで再現した下記のツイート。なるほど、わざわざファンを大切にしてない事を公言してくれてどうも。

こちらの開発公式のツイートも、ファンが愛してやまないジョエルを惨殺しておいて、それを全く活かせない物語しか作れなかった大元が、よくまあ平然と無駄に殺したジョエルで父の日なんか祝えるなと思うわけです。

まあ、多分、人を怒らせる事に快感を覚えるタイプだと思うので、そっとしておくのが一番良いと思います。

こんなところでしょうかね。できるだけ抑えて書いたつもりですが、伝わってなかったらアレなのではっきり言いますね。

ラスト・オブ・アスは死んだんだ
いくら呼んでも帰っては来ないんだ
もうあの時間は終わって、君も人生と向き合う時なんだ

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