【PS4】「レッド・デッド・リデンプション2」レビュー。良いところとイマイチなところ
遂に発売された西部劇オープンワールド『レッド・デッド・リデンプション2』。見知らぬ人のクエストはまだまだ未発見のものが残っていそうですが、とりあえずエピローグを終えてエンディングまで辿り着きました。手堅い進化を遂げてきた西部劇まったり散策ゲームですが、期待値が高すぎたこともあってイマイチな部分もゼロではなく……
個人的に良いところとイマイチなところをまとめてみました。いわゆる昨今の快適なオープンワールドというよりは、ある程度の不便さも味わいながら雰囲気を楽しむゲームかなぁって思います。
⭕良いところ
⭕上位互換
洋ゲー界隈ではこのクラスのAAAタイトルとなると、すでにシリーズ4作目、5作目が当たり前。マンネリ化を避けるために前作との違いをあれやこれや出そうとして 「「このシステムは前作のほうが良かった」」ということが間々《》あります。
その点でレッド・デッド・リデンプション2は前作のシステムを全て踏襲《とうしゅう》した上で、馬、銃、コスチュームなどの新しいシステムを取り込んでおり、ゲームとしては順当にパワーアップした[上位互換]と呼べる形になっていました。前作の楽しみはほぼ全て享受《きょうじゅ》できるので、圧倒的に美しくなった西部で前作と同じように遊べるわけです。
唯一、無くなって寂しかったのは自分の家ですね。前作ではそれぞれの町で家を買うことができましたが、今回は自分たちのキャラバンがあるためこのシステムなくなりました。ホテルに泊まることができますが、毎回お金を払うのは煩わしいし、小さくても自分の城が欲しかったです。
⭕ダッチギャングわいわいキャラバン
前作と大きく異なる点として、主人公アーサーはダッチギャングのメンバーとしての拠点を持っています。ギャングには20人位の仲間がいて、それぞれが独自に働いたりしてお金や食料をシェアして共同生活しているわけですね。最初は 「なんで稼いだ金渡さなあかんねん」って思っちゃうわけですが、徐々にメンバーの性格がわかってくるにつれて好きなキャラ嫌いなキャラが出てきて、それぞれの考え方を追うのが楽しくなってきます。ゲームの進行に合わせた反応をちゃんと返してくれるので、要所要所で会話をするのがささやかな楽しみでした。
個人的なお気に入りはやっぱりセイディちゃん。
⭕前日譚としてのストーリーは完璧
ストーリーは前作で語られなかったマーストンさんとダッチギャングの関係がアーサーの視点で描かれるわけですが、しっかりと前日譚しつつ、前作を知らなくても、時代遅れのギャング達の悲しくも自業自得な物語として楽しめると思いました。最初は家族のように団結していたキャラバンが徐々に崩壊していく様がとても丁寧に描かれていたと思います。ダッチの行動も細かく見ればギャングとしてリーダーとしてそこまでおかしくはないし、アーサーの行動もギャングのくせに偽善者ぶりやがってみたいなとこも目立つんですよね。一概にダッチだけが悪いとも言えない、なんともし難《がた》いギャングの衰退がてよく描かれてたと思います。
前作のファンとしても、マーストンさんのガラガラ声がまた堪能できるし、アーサーの声も負けず劣らず男前でかっこ良かったです。
⭕圧倒的グラフィック
このシリーズの醍醐味の一つが[ただ馬で走るだけでもなぜか楽しい]だと思うんですが、その理由の一つが西部の世界を再現した美しいグラフィックです。PS3だった前作でも十分に浸《ひた》れるほど美しかったですが、PS4になってより圧倒的に。草原なんかは遠目にはもはや実写だし、砂漠の砂埃、木々の木漏れ日、朝焼けに反射する霧、スコール、そして恐ろしい雷。これらが時間と共にダイナミックに変化する様子は本当にすさまじいの一言。
写実的すぎて見づらくすらなってしまっているの、普通のゲームなら失敗なんですが、レッドデッドリデンプションは西部の雰囲気を味わうのが本題なので問題ありません。
また、前作のブラックウォーターよりさらに人工の多い都会としてサンドニという街(というか都市)が登場しますが、そこに再現された街並み、人々は本当に生きていて都市が機能しているような錯覚さえ覚えます。
⭕西部劇を堪能
おおよそ西部劇として思い浮かぶ醍醐味は全て堪能できましたね。決闘、銀行強盗、カーチェイスならぬ馬チェイス、インディアン、脱獄、蒸気船、ミシシッピワニ、大列車強盗、そして橋脚爆破まで。前作の時点で既に西部劇ゲームとして右に出るものはありませんでしたが、相変わらず最高の西部劇ゲームです。
⭕お着替え楽しい
洋服屋さんで好きな服を買って着替えられるのは意外と楽しかったですね。見た目だけでゲームには影響しない(寒い地方では暖かい格好をしなきゃいけないんだけど、寒い地方に行くことがまずなかった)んですが、ずっと同じのを着てると飽きてしまうので定期的に服が欲しくなります。
強いて難を挙げるとすれば、洋服屋さんでわざわざ売っているような服はだいたいおしゃれなので、追い詰められていくダッチギャングとは対象的にアーサーさんがどんどん洗練されたシティボーイの格好になっていくのがちぐはぐでした。面白いけど。
⭕ポーカー楽しい
前作同様、いくつかのギャンブルを楽しむことができます。専用の画面に移行したりせず、NPCなんかが歩いてる横でそのままギャンブルが遊べるのがとっても雰囲気あって良いんですよ。親がちゃんとカードを配ったり、コインを回収したり。しかしなぜか前作からミニゲームの種類は減ってしまいました。ライアーズダイスがなくなっちゃったのが残念です。
❌イマイチなところ
❌スムースさに欠ける操作性
全体的な操作性は良くも悪くも前作から変わらず。むしろ出来ることが増えた分だけ操作も増え、煩わしくなってしまっています。やたら長押しを要求されるし、ホイールは武器・アイテム・馬と3つもあるのでトリガーボタンを全て使う必要があり、便利なんだか不便なんだかわかりません。主人公の移動も障害物にすぐ引っかかるし、馬は相変わらず操作しづらい。馬は生き物なのでまだ許せるのですが、アーサーさん走ってる最中に小さい椅子でビタッと止まるのやめてくだしゃい…… 都会で人が多いサンドニの移動は人を避けるゲームみたいになってイライラ。アンチャーテッドのネイトさんは人混みでも避けながら進んでくれるのに。登れる壁、登れない壁も分かりづらいし、銃撃戦でキレイに遮蔽物に隠れられなかったり、遮蔽物によっては任意の方向に攻撃できなくなるのも相変わらずでした。うーん。
この操作の煩雑さを自ら証明してしまっているのがまるまるチュートリアルと化したチャプター1です。愛馬で荒野を駆る西部劇を期待していたのに、雪山で操作を覚えさせられるパートが2、3時間続きます。テンポも悪いし、この冒頭の流れは出鼻くじかれまくりでとても楽しめたとは言えません。[我慢]して遊びました。みんな大好きセイディが仲間になったり、ダッチギャングの苦境が描かれていたりとストーリー的に大事なのはわかるんですけど。
ファークライなんかのヌルヌル操作オープンワールドに比べると、操作や動作など、時代遅れな感じがして見劣るのは確かなのです。あと、メニュー階層深すぎ。切り替えが遅いのもあって、メニュー画面から抜けるのが手間です。長押しで一気に抜けることはできますが、毎回メニューから出るのに長押しなきゃいけないなんて、煩わしいったらない。
【PS4】「ファークライ5」レビュー。良いところとイマイチなところ。 – Romly
http://romly.com/archives/2018/04/ps4_farcry5.html
❌ごちゃごちゃしたUI
前作はミニマップの左右に馬のスタミナとデッドアイゲージが並ぶだけのシンプルなUIでしたが、今作ではアーサーのヘルス、スタミナ、デッドアイ、馬のヘルス、スタミナと合計5つものゲージが表示されるようになりました。しかも 〈基本ステータス〉といった分かりづらい仕組みが導入されたため、それぞれのインジケーターも細かい。昨今はこの手のUIをできるだけ減らすのがトレンドなのに、こんなにごちゃごちゃしたUIも珍らしいですね。もちろん変化があった時にしか表示されないなどの工夫がありますが、それはそれで知りたい時にわからなくて困る。設定から常に表示することもできますが、それもなんか違うような……
あと気になったのは視線の流れ。画面の真ん中のアーサーを見ているのに、拾えるアイテムなどの操作は右下に出ます。さらにこれ以上拾えないなどのヘルプは何故か左上に出るので、目線が動きまくりで疲れます。
❌前作以上に厳しい取り締まり
人を殺したら通報されるのはともかく、因縁つけてくる人の近くに立ってるだけで犯罪者になってしまうのはやりづらかったです。勝手に殴ってきて、反撃したらこっちが犯罪者なのは流石に理不尽です。そうなると騒動が落ち着くまでイベントが進められないので、イベント開始のためにはるばる遠征してきたのにまた街を離れなきゃいけないということがちょくちょくあってストレスでした。
❌魅力的なキャラクターの不足
前作では墓荒らしのセス、いんちき商人のディケンズなど[マーストンさんとゆかいな仲間たち]といった風情の記憶に残るおもしろキャラがメインストーリーにも絡んでいましたが、今作は良くも悪くもきちんとした真面目なキャラクターばっかりになってしまいました。GTA同様、キャラクターのぶっ飛び具合もレッドデッドリデンプションの魅力の一端だと思っていたため、少し残念です。
メインと関係ない部分では引き続き変なキャラもいるんですけどね。あちこちでずーっと友人のギャビン探してる人とか、信仰を求めすぎて気が触れちゃった世捨て人とか、入会の儀式で焼身するお馬鹿なKKKとか。
ネタバレの前に、このゲームをやった後は間違いなく西部劇見たくなってると思うので、おすすめ置いておきますね。
困窮したクリスチャン・ベイル扮する主人公が凶悪な賞金首の護送で稼ごうとする、西部劇版スワットみたいな映画です。全体的に西部劇のかっこよさ満載ですが、個人的なおすすめはボスを逃がそうとするベン・フォスター扮するギャングの二番手。二丁拳銃、いずれも逆手のホルスター。腕をクロスせずにしまうので、拳銃を返す仕草がカッコ良すぎです。
❌エピローグは完全に蛇足
前作と同様、今作の主人公アーサーが死んだ後は、マーストンを前作で言うところのジャックのように操作してマイカに復讐を果たします。しかしこの流れは途中からなんとなく想像がついてしまう上に、とても蛇足だと思いました。
『明日に向って撃て! (1969)』のような西部劇として王道の最期を迎えるアーサーから一転、マーストンさんのパートではほのぼの牧場物語が始まるのがどうも余韻をぶち壊してしまっている気が。牛の乳絞ったり、ウンコ掃除したり…… やっと前作のマーストンさんの衣装に身を包んで出ていくところも[土地を買いに]なのでひとっつも締まらないし。
アーサーのパートで展開されていた緊張感のあるダッチギャングの最期はいったいなんだったのか。あそこでズバッと終わったほうが余程かっこよかったです。いくら前作に繋がる話とは言え、こんなマーストンさん見たくないんですよ! 嫁はガミガミ文句言うだけ(それでいてマーストンさんの頑張りは全て享受する)のクソだし。
ついでに言うと、前作のニューオースティン地方に行けるのはファンサービスとしては最高でしたが、本編に関わるイベントなどが何もないなら無くても良かったなぁと思うのです。前作をやってない人からすると、あれだけ奥地まで行けるのにイベントに関わらないのは不思議だし。
この記事はここで終わりです。
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