アイキャッチ画像

【PC】 「サイバーパンク2077」レビュー。良いところとイマイチなところ

Cyberpunk 2077

全オープンワールドゲーマーの期待を背負い、度重なる発売延期を乗り越え華々しく発売開始されたゲーム『サイバーパンク2077』。しかしながら、主にPS4など旧コンソール版でのパフォーマンス問題やバグの多さから返金対応を経て訴訟にまで発展し、未だに旧コンソール向けのダウンロード販売は停止されたままです。

大きくが付いた様に見えますが、その実、PC版の販売状況はとんでもなく好調。ダウンロード版ゲームの初月販売本数は史上最高、このゲームの影響でPCゲームの売上は前年比40%上昇とか。

ネガティブなニュースばかりなのになぜ売上は絶好調なのか。それはサイバーパンク2077が、間違いなくゲーム史に名を残す、最高のサイバーパンク・オープンワールドRPGだからです!

実際にエンディングまで遊んだいちゲーマーとして言わせてもらえば、自分はこれといったバグにも遭遇しませんでした(オープンワールドゲームに付き物の細かいバグはあったw)し、パフォーマンスも全く気になりませんでした(スペックは後述)。

PC版を遊びました

今回遊んだのはPC版です。自分は普段、ゲームはもっぱらPS4。キーボードのWASD移動ではウォーキングシミュレーターもろくにクリアできないので、これまで遊んだ少数のPCゲームもゲームパッドでのプレイ。
しかし、PS5が発売された今、PCゲーミングに移行する絶好のタイミングだと思いまして。コンソール版のメリットを考えてみたんですけど……

コンソールマシン(PS)のメリット

  1. ハプティックフィードバック、アダプティブトリガーなどの優れたコントローラー
  2. 『ゴッド・オブ・ウォー、』『ホライゾン・ゼロ・ドーン』などの魅力的な独占タイトル
  3. 横並びに保証された性能・動作
  4. ゲーム専用マシンというお手軽さ

ざっとこんなものでしょうか。
1についてはSteamなどのおかげで、PCでもコンソールマシンのコントローラーがそのまま使えます。3についても、逆に言えばお金をかければ好きなだけスペックに振ることができるのがPCです。

やはり一番大きいのは2番ですね。前述の二つの他にも、アンチャーテッドシリーズやQuantic Dreamのタイトルなど、プレステ独占タイトルにはそのゲームのためにハードを買ってもいいと考えるほどの魅力的なタイトルが揃って

そう、過去形なのです。PS独占タイトル、一昔前であればハードを牽引するほどの強力なIPが揃ってましたが、今はもはや風前の灯……
『ラスト・オブ・アス』はディレクターがポリコレに傾倒し方向性を見失い、期待された続編はただただお金がかかっているだけの凡作になってしまいました。アンチャーテッドは既に6つものタイトルが出尽くしています。本編の物語が綺麗に終わっていることを考えても、最後のスピンオフ作品の出来を見ても、これ以上作ったところで十中八九 “晩節を汚す”事にしかならないでしょう。Quantic Dreamのタイトルは既に一定期間後にPC版が発売されるようになっています。
PS5の発売予定ソフトに入っていて、見逃せないのは『ゴッド・オブ・ウォー』『ホライゾン・ゼロ・ドーン』の続編ですが、後者はいずれPC版出るだろうし、前者一本のためにハードを買うかと言うと…… まあ、『Ghost of Tsushima』『Days Gone』のような傑作がちょいちょい出てくるので引き続き目は離せないところではあるのですが……

というわけで、ファミコンから続くコンソールマシンの歴史は自分の中ではそろそろ終焉かなーと。これからはできるだけPCゲーミングしていきたい所存。キーボードで歩くつもりは毛頭ないがな!

それに、おっぱいとすっぽんぽんセックスを見られるのはPC版だけ! 誰がソニーチェックの厳しいコンソール版など遊ぶかってんでバーロー。

ちなみに、4番のお手軽さについては間違いなくコンソールマシンのメリットで、PCは作業環境とゲーム環境を共存させなければならないとうのが大きな難点です。個人的に一番気になるのはゲームがWindowsの解像度を見境なく切り替える点。作業が捗るよう並べていたウィンドウのレイアウトはぐっちゃぐちゃになるし、Adobeのソフトは解像度切替でだいたい死にます(良くてもパレット崩壊、最悪そのまま操作不能)。ゲーム専用PC……ってなるとコンソールマシンの方が安いし。

Splash Screen

PC版ゲームが残念なのは、多くのゲームにこういった “スプラッシュスクリーン”が存在すること。いちいち 〈Play〉をクリックしないとゲームが起動しない。ここからゲーム本編以外に行く人いないと思うんだよなぁ……

閑話休題。

というわけで、PC版を選んだサイバーパンク2077。自分のマシンのスペックはこんな感じ。

プレイ環境(マシンスペック)

CPU
Intel Core i7 7700K
Graphics
NVIDIA GeForce RTX 2060 SUPER
Memory
DDR4 32GB
SSD
M.2 NVMe ベンチは下記ぐらい
Seq Q32T1 Read 1,429MB/s Write 1,485MB/s
4KiB Q8T8 Read 627MB/s Write 862MB/s

昨年、VRを遊ぶためにビデオカードを新調しましたが、ハイエンドというほどでもなく。特にCPUは古く、Adobe系など通常の作業でつらみが重い今日このごろ。それでもサイバーパンク2077は余裕でフルHD、 〈レイトレーシング/ウルトラ〉で動きます。4Kだと流石にFPSが出ません。

というわけで、こんな環境で遊んだ自分のサイバーパンク2077の良いところ、イマイチなところは……

少しだけネタバレあるのでお気をつけください~



💯良いところ

🏙️ありえない密度の都市と立体構造

2018年に48分のウォークスルーが公開された時、Vが自室のあるメガビルディングを出てナイトシティを歩く様子に度肝を抜かれましたが、あのとんでもない密度のマップは嘘じゃありませんでした。

下町

私鉄の駅前のような、起伏の激しい地形にへばり付くように発展した町みたいなものがしっかり再現されてるんです。歩道横に突如現れる階段とか、裏と表で入口の高さが違う建物とか、住民だけが知っていそうな抜け道とか…… そんな下町感のある入り組んだエリアから、碁盤上に整備された道路に巨大なビルが立ち並ぶオフィス街まで、立体的な街並みがシームレスに続いています。

坂

上の写真から少し下った場所。
坂にある交差点、歩道の階段。いかにも上京した大学生が住みそうな町(笑)。絶対不動産屋とかツタヤとかありますよね(ツタヤは最近はもう無いかー)

街を行き交う人々の群れもリアルで、なんとすべての人々に名前がついています。まあ、残念ながら基本的にはただランダムに生成されたNPCで、一定の距離を目的もなく歩いているだけですけどね。
レッド・デッド・リデンプション2ではほとんどのNPCが生活パターン、つまり家があり仕事があり、スケジュールに従った行動を持っているというコダワリっぷりでしたが、あれは絶対的な人数が少ないから出来ること。いずれはナイトシティのような大都市に生活する一人一人をしっかりと再現したオープンワールドRPGを遊んでみたいですね(そうなるともはや都市シミュレーターか……)。

期待通りのサイバーパンク・ワールド

“サイバーパンク”と聞いて何を思い浮かべるでしょう。
自分はやはり映画が好きなので、『ブレードランナー (1982)『マトリックス (1999)、アニメ×サイバーパンクの絶対的な金字塔である『アキラ (1988)などを思い浮かべます。映画以外では最近だと『オルタード・カーボン (2018)も良かったですね。
なお、シーズン2は主人公の役者が変わってしまい話も駄作。ありがち。しかしながらスピンオフであるCGアニメ映画『オルタード・カーボン:リスリーブド (2020)は非常に面白かった模様。

思い浮かべる作品が何であれ、日本語が入り混じったド派手なネオンサイン、奇抜なファッションを纏う人々、雑踏と降りしきる雨…… 人々がサイバーパンクに求める最大公約数がしっかりと詰まっているのが今作です。

攻殻機動隊

サイバーパンクといえば『攻殻機動隊』は外せませんが、間違いなく『Ghost in the Shell (1995)のオマージュと思われるロケーションもありました。

高架下

街に溢れる性的な広告もサイバーパンクみがあります。
しかし、理不尽なポリコレや、怒れるツイフェミによって少しでも “男性目線”が指摘されれば炎上し謝罪撤回を要求される昨今。元々は無法地帯を表現するための描写が、現実よりも表現の自由が大切にされていると感じてしまうのは皮肉で悲しいことです。

ワカコ

日系人が支配するジャパンタウンのフィクサー、ワカコは関西弁。
自分の中ではサイバーパンク≒関西弁のイメージあるけど、なぜそうなったか具体的な作品は思い出せず。

左右非対称のカーデザイン🚔

ナイトシティがまるで生きているように感じられる大きな理由の一つに、複雑に入り組んだ道路とその上を行き交う数々の車が挙げられます。交通網は都市の動脈であるなんて言いますしおすし。
そして車のデザインも非常に尖っていて、一人乗りのシティコミューターから一般的な大衆車、果ては警察車両に至るまで、 “アシンメトリーデザイン”への一貫したコダワリが強く感じられます。

「男のコってこういうの好きなんでしょ?」

MAHIR SUPRON FS3

Mahir Supron FS3
ナイトシティでは車検(あるのか?)が緩いらしく、灯火が非対称の車が多く存在します。これがまたかっこいいの。

THORTON GALENA "GECKO"

Thorton Galena "GECKO"
砂嵐に対応するため、全てのウィンドウを完全に遮蔽したモデル。これぞサイバーパンクですよねぇ。カッコ良すぎ。もちろん運転席から見るとモニターになっていて、普通の窓と同じように見えます。

ARCHER HELLA EC-H I860 NCPD ENFORCER (POLICE)

Archer Hella EC-H I860 NCPD ENFORCER
防弾素材のボディ、フロント・バッグ双方に取り付けられた強化バンパー、完全防御の後輪。犯罪都市の警察車はこーでぃねーと。ナイトシティの警察車両はどれも重武装で、ついつい盗みたくなってしまいます。警察無線が聞けるようになってるのも凝ってて好き。

RAYFIELD CALIBURN

RAYFIELD CALIBURN
いかにもな高級スポーツカー。ただでさえ車の挙動がアレなのに、更にスピード速くてひとっつも曲がれないしブレーキも効かないしで使い所が難しい。ほとんど乗りませんでした。スピードの出ないトラックが一番ラク。耐久力もあるし。

社内の内装

ラリーカーのような車種は計器だらけのダッシュボード、ラグジュアリーカーは優雅なインテリアといったように、すべての車には個性的な内装が施されています。
ただこのゲームに限ったことではありませんが、運転席視点は視界が悪過ぎるので殆ど使いませんでした。

残念なことに、魅力的なカーデザインに反して車の操作性は最悪です。どの車もタイヤがツルッツルに滑るので、まともに走るのは相当難しい。運転中は三人称視点に出来るのがせめてもの救い。なんであんなフニャフニャにしちゃったんだろうなぁ…… でも考えてみたらGTAと言い、ファークライと言い、オープンワールドゲームの車の挙動って割とそんな感じなんだよなぁ。

ローカライズと吹き替えは完璧💬

コンソール版も同時リリースのAAAタイトルだけあって、翻訳は完璧でした。細かなアイテムのフレーバーテキストまで、おかしいと感じる日本語は見つけられず。
吹き替えもベテラン声優陣による素晴らしいクオリティで、ジョニー・シルヴァーハンドはキアヌの声としておなじみ森川智之としゆきさんが完璧に演じていますし、ドラマ『フリンジ (2008-2013)監視人やアニメ『かぐや様は告らせたい (2019,2020)のナレーションでおなじみ青山ゆたかさん、同じくフリンジでおなじみダナム捜査官こと宮島みやじま依里えりさん、他にも喜多村英梨さんなど、安心の心地よい吹き替えを楽しむことができます。まあ、彼女の演じるTバグは早々に退場してしまうのですが……(序盤メインキャラばりに活躍する割には物凄くあっさりでしたね……)

ローグ

どうでもいいけど朴璐美ぱくろみさん、洋ゲーの吹き替えには必ずいる気がする……(笑)
レジスタンスっぽいことやってる男勝りな女性が出てきたら大抵この声。

オルト

洋ゲーと言えばオルト演じる園崎未恵さんも『オーバーウォッチ (2016)とか『ファークライ4 (2014)とかよく見かける気がする。
『デトロイト ビカム ヒューマン (2018)のコナーの声のキャラもいましたね。情けない役でしたけど。

NetWatch Agent

ネットウォッチのエージェント、ストーリー中一度しか登場しないキャラですが、『ドクターハウス (2004-2012)を始めとする数々の海外ドラマや映画吹き替えでお馴染み木下浩之さんだったので、二つ返事で取引に応じてしまいました。

ちなみに、本作はボイスからキャラクターのリップシンクを行っているようで、吹替版でも口の動きに違和感は一切ありません。

フォトモード📷が辞められない美しいグラフィック

最近のPCゲームはレイトレーシングによるリアルな反射や、オクルージョンシャドウの表現が当たり前になってきました。
自分にとってレイトレーシングの原体験は『CGツクール3D (1992)だったので、1pxずつレイ手繰たぐるあのレイトレーシングで60fps出せるのが未だに信じられないのですが、サイバーパンク2077では “全てが光源となる”美しいグラフィックを存分に堪能できます。

街中はどこもかしこもサイバーパンク然とした映えるロケーションばかりなので、フォトモードが辞められず、ゲームがちっとも進まないこと請け合いです。

工業地帯

ナイトシティ都心部より少し離れたところにある工業地帯。サイバーパンクには雨がよく映えます。
ボリューメトリックなフォグの表現も素晴らしく、フォトモードですぐに情緒ある写真が撮れます。

Bar

何気なく入ったバーの店内を撮影してもこの雰囲気ですよ。そらフォトモードに夢中で一向にゲームが進まないわけです。

なお、Twitterでは#cyberpunk2077photomodeまたは#サイバーパンク2077写真部のタグで様々な写真が投稿されている他、#shutterpunk2077でフォトコンテストも開催されていたので、国内外の力作を楽しめます。
個人的なオススメは “プロのゲーム内フォトグラファー”ことPetri Levälahti氏の写真。

氏のタイムラインにはこれ以外にも素晴らしいサイバーパンク2077の写真が数多く投稿されています。

バニラでもわりかしキレイな女性キャラ

“洋ゲーの女性キャラは可愛くない”

ゲーマーの間では常識であり、残念ながら否定し難い事実であります。それでも『デトロイト ビカム ヒューマン』のカーラなど、最近はだいぶ垢抜けてきたなーと感じております。(まあ、『The Last of Us Part II (2020)のようにポリコレを取り入れて「ゲーマーが喜ぶ美しさは悪!」みたいなおかしな事になってる洋ゲーもあるんですが……)

サイバーパンク2077も、全体的にはいわゆる “洋ゲーテイスト”を感じる濃い目の造形ながら、主要女性キャラはヒロインとしても映えるキレイめ女性が揃っているのでは? と感じております。まあ、今作の場合は露出度によるセクシー補正が大きいのと、自分の場合は『ホライゾン・ゼロ・ドーン (2017)のアーロイも可愛いよなぁと思うくらいには洋ゲー女性に慣れてしまっているのであんまり参考にはならないかもですが。

いずれにしろ『フォールアウト4 (2015)みたいに女性キャラを可愛くするMODもそのうち出てくるでしょうしね。MOD開発者の皆様に期待。

リタ

個人的に推しなのは 『リジーズ・バー』の門番ことリタさん。肌色だけど硬そうなサイバーウェアの上半身がセクシーで、 “硬いおっぱい”というジャンルに目覚めそう……

ジュディ

ロマンス(セックス)のできるヒロインの一人であるジュディ。
洋ゲーとしては奇跡的な可愛さなんだけど、ちょっとメンヘラ入ってる上に彼女の本命であるエヴリンが死んだのでVを都合よく後釜に…… 感がある流れなので全然萌えない。ちなみに、彼女は女性Vじゃないと関係を持たない。
個人的には容姿も性格もエヴリンの方が好きだなー。

ミスティ

ジャッキーの彼女のミスティさん、見た目は少しキツめのサブカル女子。ただしドが付くほどのスピリチュアル系なので、あんまり近寄りたくないタイプ…… 悪い子じゃないんですけどね。

クラウドの受付嬢

モブの中では随一の美しさを誇る風俗施設 『クラウド』の受付嬢。
中で相手をしてくれるジョイトイよりよほど可愛いし声もいいし、彼女に相手をして欲しいと思ったのは僕だけじゃないはず。

王道のバディものストーリー

サイバーパンク2077はオープンワールドRPGに違いありませんが、キャラクターの個性がある程度設定されているタイプ。用意されたストーリーを辿りながら遊ぶ、『ホライゾン・ゼロ・ドーン』『Days Gone (2019)『Ghost of Tsushima (2020)に近いです。これらの作品はロールプレイの自由度は控えめながら、プレーヤーが自分でストーリーを組み立て、必要がないので、オープンワールド初心者にも優しいですよね。

逆に『スカイリム』『フォールアウト』、最近だとThe Outer World (2019)のようなガチ系オープンワールドを期待してしまうと本作は物足りないかも。

さてそのストーリーですが、ナイトシティでビッグになる事を夢見つつも、日々の小さな仕事をこなすの便利屋だった主人公Vが、出世を急ぐあまり大きな陰謀に巻き込まれていってしまう…… といった感じ。そして自分の頭の中に現れた50年前のテロリスト 『ジョニー・シルバーハンド(キアヌ・リーブス)』に身体を乗っ取られてしまうのを防ぐために藻掻もがき苦しむ姿が描かれます。

ジョニー・シルバーハンド

主人公の頭の中に現れるジョニー、絵に書いたようなロックおじさんですが、見た目はまんまキアヌ・リーブス。
ちなみに、彼に決まる前はキリアン・マーフィも候補に挙がっていたとかいないとか。キアヌは間違いなく善玉というイメージですが、キリアン・マーフィだと本当に善玉なのか悪役なのか判断がつかないので、よりハラハラ出来たかもしれませんね。

自分の中の別人格に苦しむというのは海外ドラマや映画では十八番(ネタバレになってしまうので具体的な作品は挙げられませんが、最後の最後に “実は主人公にしか見えていなかった!”というオチはお馴染みですよね)。今作では主人公つまりプレイヤーにしか見えないジョニーとのシリアスかつ軽妙なやり取りが、一人称視点を生かして表現されています。

ジョニーは最初は主人公を殺そうとするキャラクターとして登場しますが、行動を共にするうち、反発しながらも不思議な友情が生まれてゆくというバディものの王道的ストーリーになっています。渦巻く陰謀、悲しい別れ、ちょっぴりロマンス。そしてクライマックスは相棒のために自分を犠牲にすることができるのかという選択を迫られるという、コッテコテながらも燃えるシチュエーション。
主人公Vがジョニーに対して抱く感情と、プレイヤー自身がジョニーに対して抱く感情はうまいことシンクロしていました。また、ソロで旅するオープンワールドRPGで感じがちな孤独感もなく、ぶつくさ言いながらも離れることが(物理的に)出来ない二人の軽妙なやり取りを最後まで愉しむことが出来ました。

自由度の高いアプローチを持つクエスト群

各クエストはバラエティに飛んでいて、対象をすげ替えただけのような所謂 “使いまわし”を感じることはなく、常に新鮮な気持ちでプレイできます。
それぞれのサブクエにはしっかりとしたバックグラウンドストーリーが設定されていて、メインクエストそっちのけでサブクエストばかり追ってしまうこともしばしば。

なおゲームのボリュームですが、メインクエストだけ追っていけば初見でも20時間もかからないのではないでしょうか。自分はサブクエ遊びまくり&街中を歩くのが楽し過ぎて徒歩が多かったので、クリアには100時間以上かかってしまいました。それでもまだ半分もクエスト完了出来ていない気がします。

拠点の攻略方法も数通り用意されていて、最低でも必ずゴリ押し/ステルスは選べます(ただし完全ステルスプレイはちょっと難し目)。閉ざされたエリアへのアプローチ方法もキーアイテムを盗む、ハッキングする、力こそパワーぐらいのバリエーションは大抵用意されてるので、ステータスや状況に応じて攻略できます。ゆっくり実況などで他の人のプレイを見る限り、会話もかなりのパターンが用意されている模様。

イマイチな所

【金欠】カーディーラーと化すフィクサーたち

君等、本業はカーディーラーなん?」

ACT1、最初の章を終え行動範囲が広がると、各地域のフィクサーが一斉に車の販売攻勢をかけてきます。
エモい車よりどりみどりなのは嬉しいんですが、値段が高くてまず買えません。手が届くのはオンボロな軽かせいぜいファミリーカーみたいなやつ…… 闇社会でアウトローな生活してるのになんで現実みたいな世知辛い思いをしなければならないのか……

買えないだけじゃなく、買う意味がないというのも微妙。GTA同様、そこらを走ってる車を強奪できるし…… もちろん良心は痛みますが、フィクサーカーディーラーからはおいそれと買えない高級車も奪えます。

そうなるともう車を買うモチベはゼロ。サイバーウェアに投資した方がよっぽど有用なので、車のためにお金を貯めようなんて気になりません。せめて購入した車は自由にペイントできるとか、カスタマイズできる要素があれば…… 『GTA5 (2013)はその辺ちゃんとしてたのになぁ。
噂では開発中は車をカスタマイズできるようになっていたとかいなかったとか。実装されなかったの遺憾すぎる。

うち🏠が寂しい

ゲーム中、Vの自宅となるアパートはずっと同じ。映画『ドレッド (2012)の舞台である巨大ビル 『ピーチツリー』を彷彿とさせる、 『メガビルディング H10』の一室です。

単体でスラムを形成するような超巨大ビルの中の一室、そしてサイバーパンクお決まりの “壁の中のベッド”というのは『フィフス・エレメント (1997)みたいでポイント高いのですが、できれば『GTA5』のように成り上がりに合わせたお引越しや、せめて別荘などを購入したかったところ。オープンワールドゲームにおいてきょを構えるというのは、ゲーム上あまり意味がないとしても、その世界に済んでいるという雰囲気を十二分に演出してくれると思うのです。

Vのアパート

なぜサイバーパンクのベッドは壁に埋まっているのか……

まあ、サイバーパンク2077は成り上がると言うよりは、終始逃亡者として過ごすようなストーリーなので大々的に家など買えないのかもですが、それならそれで隠れ家とか…… 自宅もあまり能動的なカスタマイズ要素はなく、「拠点」としても機能しないのがちょっぴり残念でした。だいたいあそこ、メガビルディングが凝ってるせいで行くのめんどくさいんだよね(笑)。

自動運転機能がない

街全体があまりにリアルで活気に溢れているので、目的地に就くまでは運転をNPCに任せ、助手席からのんびり車窓を楽しめ…… ません。
『GTA5』でもタクシー呼べたし、『ファークライ ニュードーン (2019)なんかでもNPCが運転してくれたのになぁ。助手席や後部座席でくつろげるのは特定のクエストに限られているので、サイバーパンク2077では貴重な時間となっております。
ゴロウと夜のナイトシティをドライブとかさー、街のネオンと計器の光に浮かび上がるおじちゃんの横顔が凛々しすぎて惚れるかと思ったよ。

だいたいこの世界、 『デラマン』という素敵なタクシー会社が存在するのに! しかもストーリーにがっつり絡んでくるくせに! 普通にタクシーとして使いたかったですね~。

デラマン エクセルシオールパッケージ

会社自体をAIが経営しているという謎のタクシー会社 『デラマン』。配車されるタクシーもAIが自動運転。
自動運転タクシーと言えば、『トータル・リコール (1990)の上半身タクシー 『Jhonny Cab』を思い出しますネ。
デラマン本人(?)は『オルタード・カーボン』のAIホテルのように自律的に会社経営を行うAIですが、ポーほどの愛嬌や即応性は持ち合わせておらず、まだまだ頭の固いAIといった感じ。 “戦闘モード”と聞いてオルタード・カーボン第一話のポーのような圧倒的強さを見せてくれるのかと思っていましたが、残念ながらそういったシーンはありませんでした。

デラマン クエスト

デラマン関連のクエストでは、車を運転する個々のAIが暴走し、凶暴になったり自殺願望を持ったりと奇妙な自我を持ち始めます。デラマンとサブAIの関係がVとジョニーの関係性に重なるところがあってとても興味深い、よく作り込まれたサブクエスト。自分は最後に人格統合を選んだところ、映画『her/世界でひとつの彼女 (2013)っぽい結末でした。悲しかった😭

あと、デラマンのクエストでAI搭載の車が手に入るのに自動運転してくれないのは絶望した!
それもうただの車やんけ! AI仕事しろ!

【TPS】3人称やりたい

ストーリーの演出なんかは一人称視点を前提としていて、だからこそ感情移入して盛り上がれるものばかり。土台どだい無理な話だなとわかってはいるんですが、せっかく装備品が細かくキャラクターの外観に反映されるので、せめて街を歩く時くらいは三人称視点で見たかったなという気もします。サイバーパンクとファッションは切っても切れない縁がありますしね。

既にそういったMODはあるようなんですが、やはりアニメーションが変だったり、戦闘は無理だったりと限界があるようです。

鏡

自分が見えるのはステータス画面、バイクに乗ってる時、そしてフォトモードがせいぜい。
あとは稀に存在する鏡にインタラクトすると写りますが、頭部装備を付けていると眩しいくらいのスキンヘッドになってしまうというバグが(笑)。自分の場合、これが一番深刻で残念なバグでしたね……

意味のない投げナイフスキル🔪

「ははーん、これは中距離からステルスキルできるようになるあれやな!」

ざんね~ん。ハズレ。実際はこう。

  • 投げるナイフを装備しておく必要がある
  • 回収不可
  • 次のナイフを投げるには再度装備する必要がある

超絶不便仕様。しかもオープンワールドRPGの御多分に漏れずナイフにも重量があって、一本一本がそこそこ嵩張る。さらに投げても通常攻撃扱いでナイフのステータス分のダメージが入るだけなので、敵が強いとまんまと気づかれます。さらにさらに、近接武器としてのナイフを投げているだけなので、序盤は攻撃力の高いナイフを誤って投げ、近接武器として使いたかったのにロストしてしまうこともしばしば。

誰が使うんだこんなスキル。

投げナイフ

一本投げる度に、わざわざこうしてメニュー画面を呼び出してナイフを装備しなおす必要がある。3つしかない貴重な装備枠を潰しつつ。
うーん、どう考えてもありえない仕様だよなぁ…… 何かもっと別の便利な方法があるのだろうか。

まとめ

なんだかんだイマイチな部分も多めに挙げちゃいましたが、ゲーム全体の面白さと比べたら取るに足らない難癖です。言っても面白さに差し支える程の難点は無く、AAAタイトルに恥じない一流のグラフィック、ストーリー、そしてゲームプレイで最大級のサイバーパンク・ワールドを愉しめる傑作となっております。オープンワールドRPGとしても大満足のボリュームと質の高い各クエスト。凄まじい密度と三次元的な構造を誇る都市ナイトシティ

サイバーパンクの元祖とも言える作品『ニューロマンサー (1984)の著者ウィリアム・ギブスンはこう述べています。

Modern Japan simply was cyberpunk.(現代日本は普通にサイバーパンクだった。)」
サイバーパンク - Wikipedia

オープンワールドRPGのファン、サイバーパンクジャンルのファン、そして日本人としても、遊ばないという選択肢はありません。ちょっとでも 「気になるなぁ」と思った人は買っちゃって間違いないタイトルである事を保証します!

さて、本編はクリアしたのですが、まだまだ未解決のクエストが山程残っているので、僕はナイトシティに戻りたいと思います。では!

Prev前の記事

アイキャッチ画像
【3Dプリンタ】 Prusa MINI 最初の一歩