エモ過ぎヴィンテージなLEDセグメント・ドットマトリクスディスプレイいろいろ
- LTP-305HR
- TIL311 Hex Display (DIS1417)
- TIL306 / TIL307
- TIL302 / TIL303
- TIL305
- QDSP-6064 / QDSP-6065
- Monsanto Pan Electronics M31
- DL-3422 (4-digit 22-segment display)
2023/07/05 追記[Added 2023/07/05]
16セグメントのディスプレイって7セグよりさらにエモくね? と思って探してみたものの全然見つからず、そうこうしてるうちにもっとエモいノスタルジックなLEDディスプレイがたくさん出てきてワクワクしてしまったのでメモ。
LTP-305HR
最初に秋月のラインナップで見つけた赤色ドットマトリクスのディスプレイ。5x7のLEDで構成されているので1文字を表示する分には必要十分。なにより見た目がエモエモのエモ。Lite-Onというメーカー製で、見た目通り生産終了品。秋月でも在庫限りのディスコンマーク付き。
2.54mmピッチのDIPパッケージになっていて、大きさは18.5mm×9.8mm(厚みは本体部分が3.5mm)。
軸の秤で使いたいなーと思ったけど、絶対に必要というわけでもない部分なので1個300円という価格でちょっと迷う。Aliexpressでは全く見つからないんだよなー。でも今回調べた中では、確実に買えるというだけで十分魅力的ですね。
LTP-305HR REV C.PDF
https://optoelectronics.liteon.com/upload/download/DS-30-97-087/LTP-305HR%20REV%20C.PDF
ドットマトリックスLED LTP-305を動かしてみた - JF1DIR業務日誌(はてなblog版)
https://jf1dir.hatenablog.com/entry/20171009/p1
TIL311 Hex Display (DIS1417)
Texas Instrumentsのセグメントディスプレイ。これも製造終了済み。
セグメントディスプレイと言っても一般的な7セグの数字と違って、8の字の形に沿って20個のLEDが並んでいて、0-9, A-Fの16進数を表示できる。ただしLTP-305HRのようにそれぞれのドットを個別に点灯させることは出来なさそうな気がする(よくわからないので自分で確認してね!)。
カッコ書きでDIS1417と書かれている事がちょいちょいあります。別名かな?
大きさはLTP-305HRと同じで、数字部分も0.3"と同じサイズ。TIL311のLEDを増量して好きな文字を表示できるようにしたのがLTP-305HRって感じですね。LTP-305HRを使えばほぼ同じ数字を表示できるけど、横に並んだLEDの数が違う(LTP-305HRは5つ、TIL311は4つ)ので完璧に同じにはならないかも。
Aliexpressで取り扱いがたくさん見つかるのはいいんですが、1個10ドル弱ぐらいとなかなかのお値段。
TIL311 pdf, TIL311 部品情報, TIL311 データシート, TIL311 view ::: ALLDATASHEET :::
https://pdf1.alldatasheet.jp/datasheet-pdf/view/222932/TI/TIL311.html
reTIL
表面実装の0402サイズLEDとマイクロコントローラーでTIL311を再現するreTILというプロジェクトもありました。表面を着色したレジンで固めて見た目にもこだわってますね。手間はかかるものの、生産終了したTIL311を入手するよりは安く済む模様。
reTIL | Hackaday.io
https://hackaday.io/project/175903-retil
TIL306 / TIL307
こちらもTIL311と同様に数字を表示するディスプレイですが、LEDが細長いのでよりセグメントディスプレイに近い見た目になっています。こちらは数字しか表示できなさそう? データシートによるとカウンタが内蔵されてるようなことが書いてあると思うんですが、英語なのでさっぱりぷーです。
DIPパッケージですが、TIL311と違って縦にピンが8本並んでいるのでちょっと縦長。横幅は同じです。
TIL306は小数点が左にあり、TIL307は右にあるバリエーション品みたいです。
TIL306 pdf, TIL306 部品情報, TIL306 データシート, TIL306 view ::: ALLDATASHEET :::
https://pdf1.alldatasheet.jp/datasheet-pdf/view/141488/TI/TIL306.html
TIL308 / TIL309
見た目はTIL306/307と全く同じで、こちらはBCDを使って表示する数字を制御できるバージョンみたい。
308と309の違いはTIL306/307と同じでTIL308が小数点左、TIL309が小数点右版。
TIL308 pdf, TIL308 部品情報, TIL308 データシート, TIL308 view ::: ALLDATASHEET :::
https://pdf1.alldatasheet.jp/datasheet-pdf/view/83153/TI/TIL308.html
TIL302 / TIL303
TIL306と同じような細いセグメントのディスプレイですが、縦方向7ピンなので高さはTIL311やLTP-305HRと同じ。
こちらは特にロジックICなどは内蔵せず各LEDのピンがそのまま出てるっぽいので、任意のセグメントを点灯できそう。Arduino等マイコンから操作する分にはこっちの方が自由に点灯できていいですよね。アルファベットもなんとか表示できますし。
しかし残念ながらAliexpressに取り扱いはなし。eBayであれば1個1000円強で買えそうです。
データシートを見る限りダイオードの向きはおそらくアノードコモンですが、コモン側のピンが3本に分かれています。
TIL306/307の関係と同様、TIL302は小数点が左側、TIL303は小数点が右側という扱い。写真は左に小数点があるのでTIL302ですね。
TIL302 pdf, TIL302 Description, TIL302 Datasheet, TIL302 view ::: ALLDATASHEET :::
https://pdf1.alldatasheet.com/datasheet-pdf/view/463301/TI1/TIL302.html
Before TIL305 there was TIL302 | Details | Hackaday.io
https://hackaday.io/project/161694-diytil305/log/154175-before-til305-there-was-til302
TIL304
TIL302/303とデータシートは同じなんですが、こちらは"+1."という文字を表示する非常に珍しいセグメントディスプレイになっています。セグメントは+の縦線・横線、1の上半分・下半分、それから小数点という分割。
とりあえず+だけとか、-1、1などは表示できますが、任意の数字を表示できるわけではないので使い所が難しそうです。TIL302/303を並べた数字の一番左に置いて+/-を表示するのに使ってたんでしょうかね?
TIL305
TIL302〜TIL304, TIL306〜TIL309とあるならTIL305もあるかな? と思って検索してみたらちゃんとありました。
しかし他とは打って変わって5*7のドットマトリクスでした。LTP-305HRと同じ…… というよりはこっちがオリジナルかな? データシートを見ると内部のLEDの配置も同じで、たぶんピン互換になっていると思います。型番の数字も同じですもんね。
なおTIL310は欠番のようで特に何も見つかりませんでした。ちなみにLiteOnの方もTIL305以外は同等品を作っていない様で、LTP-302HRみたいなの無いかなーと期待したんですがなさ気《げ》です。
Aliexpressではかろうじて2件だけヒットしました。1個10ドル弱くらいですね。でも我々日本人は秋月電子から互換品のLTP-305HRを安価に入手できるわけです。ありがとう秋月電子!
TIL305 pdf, TIL305 Description, TIL305 Datasheet, TIL305 view ::: ALLDATASHEET :::
https://pdf1.alldatasheet.com/datasheet-pdf/view/463302/TI1/TIL305.html
DIYTIL305
reTILのようにTIL305を再現するプロジェクトがHackaday.ioにありました。0201サイズのLEDを干渉しないよう斜めに敷き詰めていますが、こちらは偏光フィルタを透明な両面テープで接着しているようです。厚みのある両面テープでLEDの凸凹を吸収しているみたい。レジンよりお手軽でいいかもですね。
DIYTIL305 | Hackaday.io
https://hackaday.io/project/161694-diytil305
QDSP-6064 / QDSP-6065
これまでのものとは打って変わって、12ピンのDIPパッケージの中に数字が4桁入っているちっちゃ可愛いディスプレイ。小さいけど小数点も完備しています。そのままだと小さ過ぎて読みづらい為、外装がレンズ状になっていて拡大鏡になっているのがエモエモポイント。その泡のような形状から
“Bubble Display”などと呼ばれているようです。
QDSP-6065は5桁のバリエーションと思われますが、5桁のものをQDSP-6061、4桁のものをQDSP-6064としているページもあります。詳細は不明。5桁版はその分横に少し長くなっています。ノートPCでおなじみHPことヒューレットパッカード製です。
見た目の可愛さから電子工作界隈では割と人気だった(?)模様で、検索すると使用例などはたくさん見つかりますし、動画も沢山あります。
かつてはSparkfunでも取り扱いがあったようですが今はもう売っておらず、入手は難しそう。eBayならなんとか入手はできそうですが、プレミアが付いて一個3000〜6000円とちょっと現実的ではないお値段になってしまっています。
軸の秤でもプラットフォームの荷重表示に使いたかったんですが見つけられず、一般的な4桁のセグメントディスプレイに落ち着きました。
Bubble Display - 7-Segment (4-digit) - COM-12710 - SparkFun Electronics
https://www.sparkfun.com/products/retired/12710
小さい7セグLEDを買った | オレ工房
https://ore-kb.net/archives/330
2023/07/05 追記[Added 2023/07/05]
緑バージョンがあるらしい
ツイッターを眺めていたところ、グリーンのバブルディスプレイを見付けました。マトリックスを彷彿とさせるギークなノスタルジアもまた良きかな。
しかしブレッドボートとの大きさの対比。本当に小さくて可愛い、それでいて鮮明な表示がたまりませんね。安く復刻してくれないかなぁ……
Monsanto Pan Electronics M31
足の形がめちゃくちゃユニークなセグメントディスプレイのくせに、検索してもまるで情報なし。丹青通商というところで過去に販売していたと思しきページが見つかるのみで、使ってみた記事とか動画とか海外含めて全然ヒットしない謎の部品です。見た目ものすごくサイバーで可愛いのに……
Monsanto Pan Electronics M31 [5個組] - 丹青通商
https://tansei.me/ca32/1919/
GL91AR
と思ったら、GL91ARという見た目がよく似たディスプレイがあることがわかりました。ピンの形状が違うので全く同じとはいかないものの、大きさなんかも非常に近いようです。互換品っぽいけど、どうなんでしょうね。
残念ながらGL91ARはAliexpressでもeBayでも検索ヒットせず。面積比4倍くらいあるVQB71というディスプレイもあって、そちらはeBayでいくつかヒットします。20個で4000円とかなので、意外とお手頃ですね。
2023/01/27 追記[Added 2023/01/27]
GL91ARについて、若松に在庫ありとの情報をいただきました。1個たったの85円(10個なら748円)、在庫もたっぷり四万個近くあるみたいです。若松通商というお店を知らなかったんですが、ちょうど読んでいたトランジスタ技術2023年2月号の企画 〈広告プレイバック〉に、1985年の若松通商の広告が載っていました。38年前…… 老舗中の老舗ですね(笑) 掘り出し物色々ありそう。
株式会社若松通商 / http://wakamatsu.co.jp/biz/user_data/index.php
http://wakamatsu.co.jp/biz/user_data/index.php
商品検索で “GL91AR”とすれば出てきます。
DL-3422 (4-digit 22-segment display)
QDSP-6064のようにケースをレンズにして拡大させている4桁表示のセグメントディスプレイなんですが、こちらの見た目はだいぶゴツいです。それもそのはず、それぞれの表示は7セグメントならぬ22セグメントで構成されていて、アルファベットも小文字を含めてきれいに表示できるようです。
上記動画の3:20頃から実際にアスキー文字を表示してるところが確認できます。記号を含めてセグメントディスプレイとは思えない読み易さと、ノスタルジックなセグメント感が両立しています。面白いですね〜。
ベースラインの下に及ぶセグメントがあるのが特徴的です。小文字のgやqのためのセグメントがわざわざ存在します。さらにiやj、!のためのドットも別途用意されてるのがすごい。
16セグメントの構成に加えて左下のエリアに16セグメントにはないもう一本の対角線と、ディセント部分に3本、そしてドットが上下に2つで22セグメントという構成。豪勢《ごうせい》ですねぇ。現代だと「そんなんドットマトリクスでえーやん」と却下されてしまうわけです。技術が発展したために失われてしまったロマンって感じですねぇ。
いじょ、調べてたら芋づる式にどんどん面白そうなのが出てきて、存外に長くなってしまいました。
今やもっと解像度のあるOLEDディスプレイがより安価に入手出来てしまうので、こういった大きさの割に数字しか表示できないようなディスプレイはお役御免なわけですが、どれもノスタルジックな魅力あふれるエモよりのエモな電子部品ですネ。
イチオシはやっぱり4桁のバブルディスプレイことQDSP-6064ですが、情報の見つかりやすさに反して入手難なのが玉に瑕。とりあえずは大人しく秋月でLTP-305HRを買ってみようかなぁ。いずれは入手できなくなるでしょうし。あ、いや、そもそも16セグメントのディスプレイ探してるんだった……
この記事はここで終わりです。
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