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【iMac】10年前の、iMacを、捨てない!【5Kディスプレイ化改造】


27インチ5KのiMacを持っているのですが、もうかれこれ10年前のモデル。常用するには厳しく、かといってターゲットディスプレイモードも使えない。 OpenCore Legacy Patherで未サポートの新しいOSを入れるなどして延命していたものの、やはり色々とトラブって割に合わない。
M4のMac miniもあるのでmacOS自体には困っておらず、処分してしまってもいいのですが、27インチの5K Retinaディスプレイの美しさ今だ健在。このクラスのディスプレイは単体で買おうと思ったら今でも10万円コース。勿体なくて捨てられずにおりました。

そんなある日、遂に起動できなくなってしまいました。原因はよくわかりませんが、OSのドライブを見失った感じでしょうか?

iMacのエラー画面の写真

こうなると流石に修理するほどでもなく、処分するにしてもHDDは消さなきゃなぁと分解方法など調べていたところ、どうやら汎用ディスプレイに改造する方法があるらしいぞと。そういえば古いiPadの液晶をディスプレイ化するボードとかあるし、それ系だなと思って自分でも試してみることにしました。

閑話休題、調べたら今はJapanNextの5Kディスプレイなら8万円台で買えるんですね。どうなんだろ? 350cd/m2とあるので、明るさはiMacより若干劣るものの、縁も狭いし、VESAも付いてるし……


とりま分解

まずは肝心要かんじんかなめのディスプレイ化ボードを買わないといけないのですが、調べたところ、iMac側の液晶パネルに書かれている型番によってボードが異なる(実際にはケーブルだけ違うっぽい?)ようです。型番は液晶パネル裏面、つまり内部側に書かれているので、確認するには分解する必要があります。というわけで早速分解していきます。

液晶パネルをカッターで取り外そうとしている写真
液晶パネルをカッターで取り外そうとしている写真

ディスプレイ化においてはこの分解作業が一番手間がかかり、なおかつ慎重さを要求されます。ちょうどいい道具が無く、目に入った中で使えそうだったのがカッターのお尻だったので、こんなぴったりくっついた液晶が本当に外れるのかなと半信半疑でやってみたら、写真のように割とすんなり入ったんですよね。
おー、案外ちょろいじゃんってこのままグリグリ進めていったんです。

先に言っておきますが、絶対にマネしてはいけません!!

液晶パネルのガラスにヒビが入った写真
液晶パネルのガラスにヒビが入った写真

というわけで、カッターを使うとこうなるのでマジで注意して下さい。
液晶パネルがね、外れ始めると「おー、いけたいけた! 簡単じゃーん」って嬉しくなっちゃって、調子乗っちゃったんですよね。見事にゴリッつってガラスにヒビ入っちゃいました。
もっと柔らかいプラスチックのオープナーを使いましょう。せめてクレジットカードとかね。ガラスに鉄はダメです。

いやー、凹んだなぁ。
結局このひびは伸びに伸びてディスプレイを横断してしまいました。幸い、暗い画面ではあまり目立ちませんが、明るい画面だとくっきりはっきり線が出てしまいます。せっかくの美しく広大な光沢ディスプレイが台無し。挑戦する方はくれぐれもお気を付け下さい。

ディスプレイパネルとロジックボードの接続部の写真
ディスプレイパネルとロジックボードの接続部の写真

気を取り直して。
ディスプレイパネルとマザーボードはこんな感じで2箇所繋がっています。ディスプレイパネルが手前に倒れてしまわないようしっかり支えながら、上部の空いた隙間からコネクタを外しましょう。パネルはガラス込みでかなり重いので、うっかり倒してしまうとこれらのケーブルへの損傷はまぬがれないかと。

iMacの中身を取り出した写真
iMacの中身を取り出した写真

そしてHDD、PSU、マザーボードまではらわたをごっそり抜いたiMacがこちら。
湾曲した本体内に綺麗に収まってるんですねぇ…… スピーカーは使えるかなぁと思ってなんとなく残しておきました。

液晶パネルの型番の写真
液晶パネルの型番の写真

して、肝心のディスプレイの型番を確認。自分のパネルはLM270QQ1とありました。LG製のディスプレイのようです。

分解に必要なドライバー

分解に必要だったドライバービットの写真
分解に必要だったドライバービットの写真

ちなみにですが、中身を取り外すのに必要だったドライバーは自分の場合トルクスのT4、TR8、T25でした。iFixitのガイドだと微妙にサイズが違うので、自分のツールの表記がおかしかったのかも。T25はロジックボードのスペーサーとして使われているだけなので、ペンチでも代用できると思います。


ディスプレイ化ボードの注文

というわけで 〈LM270QQ1〉というディスプレイの型番がわかったので、対応するディスプレイ化ボードを探していきます。こういうのはAliexpressを探せば一発で出てきます。本当に便利。というかないと死ぬ。

ちょっと困るのはこの商品は特に名前があるわけではなくて、 〈iMac 5K Display Driver Board〉とか、 〈iMac 5K Display Controller〉で検索すると出てきます。ついでにiMacのモデルナンバーを加えるといいかもです。
自分のiMacはLate 2015、A1419というモデルなので、下記の商品を購入しました。

ディスプレイ化ボードの商品ページのスクリーンショット

ちなみに、ディスプレイ化ボードはいくつかの種類があるようで、YouTubeにある解説動画だとR1811 V4 Driver Boardという、HDMIとDisplayPortが2つずつ搭載された黒いPCBのものがよく出てきます。同じものがAliexpressにもあるのですが、そちらはかなり高価で4万円強、自分が買ったものの3倍以上。ただその分HDRやPD給電をサポートするなど高機能になっているようです。
HDRには魅かれますが、こういう改造に四万円もかけてしまうのはなんか違うというか、うまくいくかもわからない改造に四万円もかけられるほど裕福ではないと言うか……
というわけでR1811ではなく、名無しの緑PCBを注文、到着を待ちます。最近はAliexpressでも一週間とかで届いたりします。はー便利。

到着したディスプレイ化ボード

ほんとうに一週間かからずに到着しました。メインのPCBと、スイッチが載っている操作パネル用のPCB、それからケーブルが2本伸びています。

到着したディスプレイ化ボードの写真
到着したディスプレイ化ボードの写真

こちらがメインのPCB。入力系統はDisplayPort、HDMI、USB-Cを一系統ずつサポート。
隣にはBタイプのUSBポートと、AタイプのUSBポートが2つあります。ちゅーことはやでぇと思って、Bの方をPCに繋ぐと、Aの方に繋いだマウスが使えました。USBハブとして動作するようです。
その隣にはオーディオ用の3.5mmジャック。映像とともに入力された音声信号の出力かな?

それからR1811と違って、名前のないこちらのボードにはファンは搭載されていません。ヒートシンク的な何かが載っていますが、動作中はまあまあ熱くなります。計ったら54℃でした。

ディスプレイ化ボードから伸びるコネクタの写真
ディスプレイ化ボードから伸びるコネクタの写真

ボードからはこのように2つのケーブルが伸びていて、両方とも液晶パネルに接続するものです。黒い布地の方がディスプレイの信号、基板になっている方がバックライトLEDです。どちらも向きがちゃんとあるので、方向で困ることはありません。助かる。

ドーターボードの写真
ドーターボードの写真

操作パネル用のスイッチ類は手元で操作できるよう、ケーブル経由で別のPCBになっています。操作に関しては標準的なモニターと全く同じで、困ることはないかと。


ACアダプタを忘れてた

ディスプレイ化ボードを注文したことですっかり安心してしまい、買い忘れたものがありまして、ACアダプタなのです。届いてからてなりました。
USB-Cで給電できるんじゃね? なんて甘い考えも試したのですが当然そんな気の利いた機能はなく、適切なプラグを持つACアダプタを注文、届くまで一回休み。

ちな、このボードが必要とする電力はどうやら12V/5A。プラグは商品ページの記載なら5.5x2.1mmっぽい。この辺よく知らなかったんですが、この表記はバレルジャックの外形と内径(真ん中の穴の経)なんですね。

自分はよくわかんなかったのでプラグが色々付いてる下記のアダプタを買いました。5.5x2.1mmっていう表記もあったのでまあ大丈夫だろうと。

購入したACアダプターの商品ページのスクリーンショット

しかし、届いた5.5x2.1mmのプラグを刺そうとしても入らない。他のを試してみると、5.5x2.5mmというプラグがぴったり入りました。うーん……??? これ、商品ページの表記間違ってるのでは? アリエクなのでそういうことも十分あり得るし、購入したACアダプタの方が間違っていたのかも知れない…… まあ、もし同じボードを購入する方がいたら、その辺ご留意ください。
ディスプレイ化ボードのページでACアダプタも売っているので、一緒に買えばさすがに繋がらないものを送ってくるということはないんじゃないでしょうか。


ボードの接続

やっと必要なものが揃ったので、液晶パネルに接続していきます。接続する必要があるのは2箇所、ディスプレイへのコネクタとバックライトLEDへのコネクタです。

ディスプレイへのコネクタ

ディスプレイへのコネクタを接続した写真
ディスプレイへのコネクタを接続した写真

ディスプレイへのコネクタは薄くて、ケーブルもいかにも断線しやすそうな細いワイヤーばかりなので、ピンセットでゆっくり慎重に差し込むと良さ気です。ケーブルの布地がひっかかりやすいようなので気をつけて下さい。ある程度差し込めたらフック(?)のような留め具を閉じれば最後まで刺さるかなと思います。

バックライトLEDのコネクタ

バックライトLEDへのコネクタを接続した写真
バックライトLEDへのコネクタを接続した写真

バックライトLEDのコネクタは向きがわからなくね? と思ったのですが、反対向きには刺さらないようになってました。こちらは手でも差し込めて簡単なのですが、落とし穴があって、最後までしっかり差し込みましょう。
自分は最初、いざ接続が完了してボードに電源を繋いでもディスプレイはうんともすんとも言わず途方に暮れたのですが、このバックライトLEDのコネクタの差し込みが甘かったというオチでした。いやはや、焦った。12,000円無駄になるというのは痛過ぎますからね……

バックライトLEDへのコネクタの接続に失敗している写真
バックライトLEDへのコネクタの接続に失敗している写真

こちらは接続に失敗している写真です。これだと液晶には何も表示されないので、奥までしっかり差し込みましょう。

2箇所の接続が終わったらACアダプタを繋げばディスプレイが映ると思います。問題なく接続されていれば、何も入力されていなくてもディスプレイに 〈信号なし〉という旨の中国語が出る筈です。
これでiMacの5Kディスプレイ化改造は完了。動いてしまえばこっちのものです。はー、ガラスのヒビだけが悔やまれる。


ボードの収納

問題なく動作しているのを確認できたところで、剥き出しのPCBをぷらんぷらんさせるわけにもいかないので、固定具を設計、3Dプリントします。
YouTubeでの改造例を見るとみんな本体内に綺麗に収納しているのですが、そうするとコネクタ類へのアクセスのために穴を開けなければなりません。アルミにキレイな穴を開けられる自信はないので、自分は外側に固定することにしました。

3Dプリントした固定具の写真
3Dプリントした固定具の写真

3Dプリントした固定具。出来るだけ簡単に作ったつもりなんだけど、ネジ穴とかサイズでこんなものでも4、5回設計&プリントし直し。しかしまあ、3Dプリンタは本当に便利です。こういうのなんでも簡単に作れる。もう無い時代には戻れないなぁ。

固定具をiMacに取り付けた写真
固定具をiMacに取り付けた写真

こんな感じでスタンド部に固定できるようになってます。裏側なんて全く見えないし、これで十分です。各種コネクタへのアクセスも簡単、ボタンもちゃんと操作できます。液晶パネルとの接続ケーブルはメモリコンパートメントのカバーを取り外してそのまま通しただけです。

スイッチが並んだPCBの写真
スイッチが並んだPCBの写真

ボタンもちゃんと押せます。まあちょっと裏側に腕を伸ばす必要はありますけどね。
もっと操作しやすい位置に置くか迷ったのですが、考えたらモニターのボタンなんてそうそう操作する必要はないので…… 隠れてる方がいいやって。


使用感など

というわけで、10年落ちのiMacが5K (5120x2880) 500nitのモニターとして華麗に復活しました!

完成したiMac Retina 5K汎用ディスプレイの写真
完成したiMac Retina 5K汎用ディスプレイの写真

さてこのiMac Retina 5K汎用ディスプレイの使用感ですが、ぶっちゃけ、大変素晴らしいです🥰 ターゲットディスプレイモードがないとか嘆いてないで、最初からこうすれば良かったんや。
Windowsも接続できるし、モダンなUSB-Cでの映像入力も問題なし。外観は全く持ってそのままiMac、角度調整自由自在なモニターとして機能します。iMacの あごがちょっとだけ気になりますが、定番の黒いゲーミングディスプレイなんかよりよほど映えます。
まー養生テープがダサくて台無しだけどな!(笑) かと言ってわざわざ接着剤を買って閉じるほどでは…… OPPテープとか使えば遠目には目立たないかも知れませんが、使う自分には結局見えちゃいますしねぇ。

ちなみに、HDMI経由だと残念ながら4K止まりのようです。DisplayPortとUSB-Cは5K/60Hzちゃんと出来ました。

関係ないですが、ディスプレイポートという規格が広まってもHDMIは一向に無くならず、そうこうしている内にUSB-Cもディスプレイケーブルとして使われるようになるという非常に混沌とした時代になってしまいましたね。ビデオカードはディスプレイポート出力しかないし、モバイルモニターはUSB-CとMini HDMIとかいう変なコネクタだし、ラズパイ5はMicro HDMIだし! あーもう!!

あ、全く関係ない愚痴で締めくくる形になってしまいました。
そういうわけでiMacの汎用ディスプレイ化、わざわざiMacを入手して改造するのは微妙かもしれませんが、タンスの肥やしになっているiMacを蘇らせる手段としては非常にコスパの良い、満足できるものとなっております。みなさまも挑戦してみてはいかがでしょう。

とか言いつつ、自分は中古のiMacを仕入れてもう一台くらい欲しいなぁなんて気になっています。VESAマウントタイプが安く手に入ると嬉しいんだけどなぁ。

いじょ!!

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